【イ軍編1791】絶対に勝ちたい草野球でマネーパワー投入した結果
東京23区外の某市で、犬猿の仲の草野球チームがあった。濱町田ビーバーズと、鎌森パンパンズである。かれこれ50年、地元の折り合いが悪い事も手伝って、試合の度に勝ちに異常にこだわり過ぎた草野球とは思えぬラフプレーや乱闘が発生していたものである。
11月に対戦が組まれ、今季は何としても勝つべく、ビーバーズが〇万円で、最弱イ軍の四番、お金大好き城戸を助っ人に召喚。プロ野球でも格下の相手には異常に打ち込むだけに、猛打ショーが期待されたのであった。
果たして、名前を木戸と偽った城戸は、ビーバーズの四番として先発出場(オーラが全然無いのでパンパンズには全く気付かれなかった)。
第一打席で、
(さすが草野球、河川敷寒過ぎィ! もう帰りたいわ)
という考えから、
「おんぎゃ~~~~ン!!!! 球が当たった痛いの痛いの飛んでけワイもI can flyンゴオオオオ!!!!」
と絶叫しながら、これぞプロの嘘死球を披露。
「救急車! 救急車呼んで! いや、すぐ来ないからこっちから行くわ救急車に!」
と言いながら、風のように離脱。その日のうちに、第一打席分以外はお返しします、と、報酬の〇万円から一部が返金される謎の誠意を見せたのであるが、ともかくその時は一死球による一出塁のみで終了。ビーバーズは動揺から立ち直れず、その流れで1-13の大敗。助っ人はきちんと選んだ方がよいという、教訓系ブーメランボールが完成したのであった。




