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【城戸編57】リスペクトの行方
「俺をもっとリスペクトしろ! そうすりゃもっと打てる」
打とうが打つまいが、度重なるイ軍ファンのブーイングに業を煮やした城戸の言である。
確かに、打率3割を維持している城戸の言い分は、一見もっともではある。
しかしながら、そのヒットのほぼ全てが勝敗に関わりの無いどうでもいい場面で飛び出しており(イ軍の投手陣壊滅という状況から、試合の早い段階で滅多打ちされて勝負がつき、どうでもいい展開が圧倒的に多過ぎるという問題もあるのだが)、ファンがブーイングするのも、無理からぬ話ではあったのだ。
そこへもって、ファンの嫌悪感情を煽りまくりのこの発言である。
一体どのような惨状になってしまうか、火をみるよりも明らかと思われたが、事態は意外な方向に展開した。
「城戸をリスペクトしよう!」
と、特に過激な反城戸の私設応援団長がぶち上げたものである。
だが、すぐとオチはついたのであった。
「城戸リスペクト! 汚れた晩節を見るのに耐えられない! リスペクトしてるからこその引退コール! 城戸辞めてくれ!!!!」




