表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
246/5133

【城戸編55】ツインシュート

 目下、激しい首位打者争いを展開中のバ軍佐古田とイ軍の4番「アジアの併殺王」こと城戸。

 9月中旬でシーズンも佳境に入っていたのであるが、両者ともチーム内の鼻つまみ者とあってタイトル獲得援護の敬遠指令も出されず、この時期には珍しい純粋な直接対決となったものである。

 しかしながら、1塁を守る城戸は右足を負傷しているのか、しきりにかばう様子を見せており、本調子からは程遠い事を窺わせた。

 タイトルを獲る為ならどんな卑怯な手でも使う事で定評のある佐古田が、城戸の負傷を見逃すはずもない。2死1、2塁の状況ながら、打点を挙げる事が仕事の3番打者にも関わらず掟破りのバントヒットを狙いに、一塁線へ転がしにかかったのであった。

「かかりやがった!!!!wwww」

 そこへ邪悪な笑みを浮かべて猛然とダッシュする城戸。

本当は足を負傷なんぞしちゃあいない、佐古田の安打を一本摘み取る為の、とんでもなく面倒臭ぇ仕込みだったのである。

 だが、これで上手く行くかといえば、いかないのが城戸の城戸たる所以、いわゆる「ブーメランベースボール」の真骨頂であった。

 城戸の偽装に引っ掛かったのは佐古田だけでなく、登板していたイ軍投手の簑島も同様だったのである。

 自分で捕りに行かねばと簑島も打球へダッシュした結果、城戸と交錯し、ツインシュート状態でボールを蹴り飛ばしてしまったのであった。

 結局、城戸と簑島が必死こいてボールを追いかけてしまった結果、

「あれはフツーに捕れなかったんじゃねえの?」

 と、佐古田のバントを公式記録員がヒットとして判定。更にはこの珍プレーが原因で打者走者の佐古田までホームに生還してしまい、イ軍としても万事休す。

 城戸のしょーもない企みは決勝オウンゴールとなって、佐古田とバ軍を勝利に導いてしまったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ