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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
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ミスターイディ解雇! マスコットの分際でメジャー挑戦

 東京新宿イディオッツ(以下「イ軍」)のマスコット、ミスターイディが自由契約となった。

「ファンサービスと称して、女性ファンにセクハラまがいの行為をした」と訴えられた結果、実質解雇のような状況に陥ってしまったのだ。

 もともと、不愛想、ダンス下手、可愛くないと、大人にも子供にも大不評だったキャラクターである。今回の措置は歓迎されこそすれ、誰もミスターイディの解雇を惜しんでなどいないのであった。

 実はセクハラ行為の犯人は彼ではなく、ロクに調査もされないまま犯罪者の烙印を押されてしまったのであった。いくら可愛くない不人気マスコットだからといって、あんまりな話ではないか。

 ならば本業のマスコット稼業で、自分を要らないと言った連中を見返してやる! と、意気込んだものの、日本では犯罪者のイメージが定着してしまっており、働き口は無い。そういった事情があり、ミスターイディは海外で戦う選択をしたのであった。

 そこで、海外リーグのチームに何十通と採用面接を申し込んだものの、全て不合格。日本語で書いたからそりゃ当然という話ではあるのだが…。そこで彼は、やむなくマイナーリーグチームの本拠地に足を運び、辻パフォーマンスを披露して、その場で自分を売り込む方法を取ったのであった。

 これもまた40、50と不採用を重ね、そろそろ、もうどうでもええわあ…という境地に達しかけたところ、奇蹟的に「無給の練習生という扱いなら」と、彼を雇う球団が現れたのである。

 だが、道のりは決して平坦ではなかった。不愛想、ダンス下手、アメリカ基準で見ても可愛くないミスターイディは、出ればファンからの大ブーイングの大合唱。イ軍にいた当時よりも更に凄まじいサンドバッグ状態になってしまったのだ。

 かつて、「可愛くないのは仕方ない。だが不愛想、ダンス下手は努力次第である程度改善出来るのだから、そこは何とかしろや」と、師匠格のミスターウディに厳しく問い詰められた事を、今になって思い出す。そうした一抹の後悔を胸に秘め(大体3分くらいであっさり消えるのではあるが)、ミスターイディは今日もマスコットとして自チームを応援し、敵チームを煽り倒す作業に精を出すのであった…。


 ミスターイディの明日はどっちだ。

 次回、とんでもない事態が!

「もうやめたいっす。…いや、やめてやるよ畜生!」

「え…? 財布盗まれた…?」

「ほら、この車椅子の子一人だけ…。ミスターイディ頑張れって…(涙)」

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