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【城戸編53】呪いの後継指名
「岡井が出てこないと辞められない」
イ軍の高額凡打製造機こと4番城戸、契約更改時の弁である。
ここ数年、対象が違えど似たようなセリフを繰り返しているのだが、辞めるつもりなんぞ全く無く、無駄に恰好をつけたいだけのは公然の秘密であった。
とはいうものの、左打の大砲候補である未完の大器、8年目岡井の奮起を促すホロリええ言葉風ではあった――だが、これを聞いた秋季キャンプ中の岡井はその場でくずおれ、チームメイトに支えられなければ立てない状態になってしまったという。
何故か。
城戸は野球の試合での選球眼は超雑なくせに「絶対に自分を抜けそうにない、野球選手として適性の無い選手」の選択が非常に的確で、指名した選手は必ず1年以内にユニフォームを脱いでいるのであった。
「今年も城戸の邪眼発動キターーーーーーーーーー!!!!」
と、新スポでは邪眼対象のオッズ表を作成し、読者参加企画にまでする始末。
以上、「オフの4番城戸」の風格を見せつける心温まらないエピソードであった。




