【相原編④】球界オレオレ詐欺
入団3年目、勝ち星こそ野手に足を引っ張られて8勝15敗の大幅負け越しながら、防御率2.78、奪三振221、投球回201と、防御率と奪三振のタイトルを獲得して大ブレイクした相原。
球界関係者の間でも評価が高く、またイ軍で唯一のイケメン選手とあって、オフに入るや、早くもマスゴミからの取材が殺到したのであった。
「おい相原、これからマスゴミには気を付けた方がいいぞ」
そう行って2828しながら忠告をしてきたのは、チームのエース格「歩く違法投球」こと神崎である。
「いや神崎さん、もう個人で事務所入って取材制限してんですよ。多分大丈夫だと思うんすけどね」
「ほお、そうれは何よりだ。だが、イ軍で主戦になるとまた違った難しさがあるんだよなあ…」
このオヤジ、もしかして俺に嫉妬してんじゃねえか?
と、神崎に対して疑念を抱く相原であったが、心底同情するような口ぶりに、脳裏に一抹の不安がよぎるのであった。
そして、その不安はものの見事に的中。
一躍スターダムに躍り出た相原に対して、
「私が育てました」
と名乗る、聞いた事もないようなイ軍OBが大量発生。マスゴミ各社にある事ない事喋りまくって(ほとんどない事)収拾がつかない事態となったのであった…。




