【イ軍編1629】いくら最弱ナインでもオールスター休み明けなら頑張れるという風潮
「オールスター明け初戦はワイに行かせて下さい。怪我もバッチリ治して、全開で投げられますわ」
と、首脳陣に猛アピールしたのは、昨年のオフに最弱イ軍に拾われたベテラン投手尾崎。肩の怪我が長引き、チームから離れてのリハビリが続いていたものの、7月になってようやく二軍での調整を開始。からの、このタイミングでの一軍登板志願なのであった。
後半戦を占う大事な試合だけに、尾崎としては現役続行を睨んで何としても結果を出したいところ。とは言うものの、普通に考えればエース相原か第二先発の神崎を投げさせる場面と思われたが、イ軍首脳陣は意外にも尾崎の申し入れを了承。本当に尾崎が先発する事になったのであった。
「よしゃ! いくらイ軍ナインがガバガバいうても、休み明けなら動きキレキレやろ! 相手のサ軍はオールスターで主戦が投げてて谷間のローテ確定やし、イケるでこれは!」
と、鼻息荒い尾崎を、イ軍首脳陣は申し訳なさげな苦笑を浮かべながら見守るのであった。
「いや~、無知とは恐ろしいもんやで。毎年オールスター明けは誰も投げたがらないから、起用する側としては助かるんやがな」
「イ軍ナインの場合、休みがある=24時間体制でゲームして、試合がある日よりコンディションガバガバやからなあ。普段より勝率悪くなる試合を志願してくれて、ホンマご苦労さんやで」




