【アームブリスター編⑦】明日への道を切り開くダイブ
秋風吹くイ軍本拠地、東京新宿スタジアム。
シーズン最終盤の追い込み時、今シーズンは打率240、本塁打7、打点33という悲惨すぎる成績ながらも、何とか来季の契約を掠め取ろうと必死こいてる詐欺師外人アームブリスター。ここ数日は
「日本人より、真面目に練習してます!」
という長時間の練習アピールに余念が無かったのであるが、本日は一転、ファールエリアに近いカメラマン席の整備?をしているのであった。その後、撮影に現れたマスゴミのカメラマンと、席について打ち合わせまでしていたものである。
「ブリの奴、いよいよ野球を諦めて球場職員になるのか」
イ軍ベンチではそんな声も聞かれたが、事の真相は試合中に明らかになった。
この日はサードに入ったアームブリスター、2回表に打球が三塁ファールエリアに打ち上がった瞬間、
「ヨッシャ!」
と雄叫びを上げ――カメラマン席にダイブ!!!!
イ軍では滅多に見られない超ハッスルプレーに、球場が湧きに湧いたものである(あくまでも少ない観客の割に、ではあるが)。
事前の打ち合わせ通りカメラマンたちはギリギリのタイミングで避けてカメラは無事(弁償回避)、更にはアームブリスターが仕込んでおいたマットで、傷一つ無く(怪我回避)このビッグプレーを演出し切ったのであった。
(クックック、これは来季残留の大アピールになったで!!!!)
だが、観客の完成はすぐと大ブーイングに切り替わった。
それも当然、ダイブに夢中で打球完全無視、ボールはフツーにやってりゃ簡単に取れる位置を転々としているのであった…。




