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【イ軍編1584】帽子トルネード投法
最弱イ軍の先発二番手「マウンドの詐欺師」こと違法投球に定評のある神崎が、9回途中5失点と粘投。6-5と一点差で勝っているものの、二死満塁で四番打者を迎える絶体絶命のピンチに陥っていたものである。
普段は「省エネしてます」と言わんばかりの力感ゼロでのらりくらり投法の神崎であったが、いわゆる一つの火事場の馬鹿力が発動したか。一球毎に帽子が吹き飛ぶダイナミック投法で、渾身の激曲がりスライダーをコーナーに決めて、何とか三振に斬って取ったのであった。
その後、喜ぶ素振りも見せず足早にロッカーへ下がる神崎に、
「おいおい、あんな球投げられるんだったら普段からやっとけYO!」
と思わず突っ込んだ草加部であったが、返ってきた答えには思わず失笑不可避に追い込まれたのであった。
「バーロー、アレは本当に緊急用だっつーの。帽子をワザと飛ばして、拾う時にマウンドに仕込んどいた素材(意味深)を使ったスペシャルボールよ。ていうかバレる前に試合終了成立させとかないとヤベーから、他の連中に早くグラウンドから出るように言っといて」




