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【イ軍編1577】ボールに話しかけ投法
「マウンドの詐欺師」、怪しげな宗教にハマる――。
最弱イ軍の先発二番手、球界屈指の違法投球の使い手として定評のある神崎について、そんな噂が流れていたものである。というのも、強打者を迎えたここぞの場面で、ボールに向かって何事か話しかける事態が頻発。神崎本人も、「野球の神様、だ~いちゅき」みたいなコメントを連打していたのであった。
「これまで野球で色々な悪事をカマしてただけに、天罰が怖くなって神様に縋りたくなっちまったんやろなあ」
「ていうか神様心広過ぎィ! ワイも助けてもらお。ちなお友達紹介キャンペーンか何かでお布施は半額でおながいします」
などとイ軍ナインの間で様々な憶測が飛んだのであるが、後年出版された神崎の自伝に、当時の噴飯物の真相が記載されていたのであった――。
「アレは事前に口の中に異物を仕込んどいて、ボールに話してるように見せかけてぺっぺと付着させてたんですわ。神様神様煽ってたから、結構長い事騙せてたわね」




