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禁断プレミア
今年最下位ならチーム消滅という危機に直面しながらも、ベテラン勢が相変わらずガバガバなプレーに終始して、例年通り1勝2敗ペースの東京新宿イディオッツ。
もはや何度目か分からぬ程であったが、監督不二村が0-13で大惨敗した試合後に緊急ミーティングを招集したものである。
「お前ら、このままじゃ不名誉な歴史に名を残す事になっちまうんだぞ!?」
最底辺であるイ軍が消滅してしまえば、どう考えても日本プロ野球界に居場所が無いだけに、不二村も必死であった。
「今つけてる背番号が全部永久欠番になっちまうんだぞ!」
この一言に、普段は不二村の話になど全く関心を持たない選手たちの顔色が変わった――のはいいのだが、その変わりように、不二村は頭を抱えた。
城戸始め、チームを動かす上で欠かせぬ連中が、
(永久欠番の選手として歴史に名を残すのもオツだな)
というような、微妙に満更でもなさそうな表情になっていたのであった…。




