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禁断集客②
あまりの弱さに、観客の入りも二軍以下ともっぱらの噂の東京新宿イディオッツ。
そんな状況を少しでも改善したように見せかけるべく、禁断の動員法「職員の家族にタダ券配って来させる」が発動した。
しかし、件の職員家族召喚試合であったが、イ軍ホーム側の関係者席には、立ち入り禁止にも関わらず居座るいつもの廃人・暇人の姿しか見えなかったのである。
「おい白井、一体どうなってんだ!? ウチの職員は身内もコントロールできないのか!?」
思わず悲鳴に近い声を上げて「パネマジ広報」こと白井を詰めたのは、この糞みたいなありがち作戦を考えた球団常務の飛澤であった。
「はあ、一応皆さん来場されているみたいなんですが…」
そう言って、白井はビジター席の一角を指差したのであった。
「やっぱ常務の奥様始め嫌々来てるみたいで、さっきから『イ軍早く負けろ!』とか何とかヤジりまくってます。まあ球場来てヤジるのがイ軍戦の醍醐味ですし、楽しみ方としては間違っちゃいないですね」




