カラクリ残留嘆願
テスト入団で、6月から加入したイ軍の新外人リバース。
イ軍では貴重な左打ちの外野手ではあったものの、最終的に81試合出場で打率233、本塁打8、打点34、盗塁12と、かなり微妙な成績(それでもイ軍ではマシな部類)で、来季の残留はまず無いと見られていた。
だがしかし何とした事か、自分の事しか考えない事で定評のあるイ軍ナインが、リバース残留の嘆願書を作成し、
「奴は性格もいいし、来季多分爆発するから。多分」
と、球団に来季もリバースと契約するよう働きかけたというのである。これにはリバースも大感激、一般紙でも美談として取り上げられる程であった。
などと、美談が美談で終わらないのがイ軍のイ軍たる所以である。
リバースが残留となれば、外人枠の関係でオフの新外人獲得はおそらく消滅する。更に、今季1000万円だったリバースの年俸は、仮に来季も契約したとして成績からするとほぼ横ばいの可能性が大。となれば選手の総年俸枠に余裕が出来るワケで、そこを自分の契約更改で何としてももぎ取ろうという、イ軍ナインの200%金目当てのリバース推しだったのである…。
【追記】
イ軍ナイン必死の(藁)嘆願の甲斐あってか、リバースは年俸2500万円で残留となった。
しかし、イ軍ナインが小躍りしたのも束の間、
「外人は枠がないから日本人選手獲っとくかあ。安いリバース残留させて年俸枠に余裕あるし」
というフロントの判断で、盛りの過ぎたベテラン野手2名を微妙な高値で獲得。
結局ライバルが増えた上に年俸枠まで持って行かれたという、イ軍選手にふさわしいオチがついたのであった。




