表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
192/5133

デスブルペン

 真夏の晴天デーゲーム@東京新宿スタジアム。

 イ軍と対戦するマ軍の右翼手は、打撃優先オーダーで無理やり守備に就かされた本職一塁手の岩井。

 外野守備はほとんど経験が無いながらも、何とか無難にこなしていた岩井だったが、4回裏に悲劇は起こった。

 イ軍の綿貫が左打席から右翼に放った大飛球を、太陽の光をまともに目に入れてしまい、見失ってしまったのである。その後、打球がフェンスに直撃したのと、一塁塁審がフェアのジャスチャーをしているのは辛うじて分かったのだが――ボールを完全に見失ってしまった。

「おい、ベンチの下に入っちまったぞ!」

 右翼側のイ軍ブルペンから、慌てたがなり声が聴こえた。見れば、イ軍のリリーフ陣が総出でボールを探しているのであった。

 不慣れな外野守備にビクついていた岩井は、ある意味でホッとした。ボールがブルペンに入っちまったのなら、エンタイトルツーベースだろう。クッションボールの処理などやった事がないし、こうなってくれてむしろ助かった。あとは審判が試合を止めるのを待つばかりだ――。

 と、思いきや、試合はそのまま進行し続けたのである。

 全く動く気の無い岩井を見て血相変えて突進してくるセンターの坂口、そして楽勝で本塁まで帰ってきてしまったバッターの綿貫……。

 唖然とする岩井に対して、

「おい! 何でボールが真横にあんのに捕らねえんだ!!!!」

 と、怒鳴り上げた岩井の声は、まんまとボール探しの偽装に成功したイ軍リリーフ陣の大爆笑、そしてイ軍ファンたちの岩井コールによって掻き消されてしまったのであった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ