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二刀流の真相
イ軍の新人、森岡の1年目が終わった。
まともな話題に乏しいイ軍の目玉として、投打二刀流で起用されたものの、投手としては2勝5敗防御率5.56、打者としては打率232本塁打1打点5と、微妙な数字が残ったのみなのであった。
当然の事ながら、
「どっちかに絞らせた方がいいんじゃないの? このままじゃどっちも中途半端になって潰れちまうぞ」
という外野の声が圧倒的だったのであるが、イ軍の編成を司る柳澤GMは、それに対してこう回答したのであった。
「投げる方も打つ方も、どっちの才能も中途半端だからこういう起用をしてるっての。むしろ絞らせた方が早く引退しちゃうって。そういう事を見越しての親心起用ってのを汲んで欲しいもんだわ。あと正確には二刀流じゃなくて三刀流だから。彼、超イケメンだし投打広(告)で頑張ってもらってるからね」




