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【マウンドの詐欺師 神崎編⑩】威圧技
東京新宿スタジアムでのイ軍―サ軍戦。
初回、サ軍先頭打者の猪狩は戸惑いを隠せなかった。
普段は猪狩がカモにしているイ軍先発神崎であったが、今日は何かが違う。球のキレ、重さとも普段より増しており、何より神崎自身が大きく見えるのである。
理由は分からないが、今日の神崎を打ち崩すのは困難になりそうな予感に、猪狩は身を引き締めたのであった…。
「フッ、猪狩の野郎、いつもと違う俺の威圧感に完全にビビってやがるな。グラウンドキーパーにマウンドを1m近づけさせて甲斐があったってもんだぜ藁」
という、いつもの神崎の詐欺オチなのであったが、打者以上にキャッチャーが完全に目測を狂わせパスボール連発。結局神崎自身がリズムを崩してしまい、打ち崩される以前に自分から崩れて5回10失点で大炎上の2段オチがついたのであった…。




