銭闘力
2013年、東京新宿イディオッツ契約更改。
“歩く不良債権”こと10年契約を締結している城戸の場合、年俸の変動はないので、インセンティブの確認の場となっていた。
春先の大不振でぶっちぎり最下位のA級戦犯と呼ばれながらも、今年もペナント完全終戦後に無駄猛打を炸裂させ、帳尻の鬼の面目躍如。3割3分、150安打、100三振回避等、インセンティブをきっちり獲得しており、査定担当者を悶絶せしめていたのであった。
その上で、席上、城戸が担当に申し立てをしたものである。曰く、
「140試合出場手当がついてない」
と言うのである。
この点については担当が「何とか城戸の年俸を抑えられないか」と、特に念入りにチェックしており、ギリギリの139試合でインセンティブ獲得には至らない事を確認済であった。
それを城戸に告げたところ、
「フッ、実は140試合出場してたんだわ」
と、ドヤ顔で得々と語る城戸。
何でも、審判へのクレームで出場停止になっていた試合で、背格好が激似の植松と偽って、パクったユニフォームで試合に出ていたというのである。
そんなもん、逆にペナルティものじゃねえか!!!!
激怒する担当に、
「おお、罰金払うから、全試合出場はカウントしてくれな」
と、平然と返す城戸。
今年もまた、城戸が存分に銭闘力を見せつけた契約更改となってしまったのであった…。




