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【城戸編33】受け継がれていく魂
某発展途上国に、とんでもない飛ばし屋現る。
一部野球関係者の間で噂になっていたネタで、12、3歳の野球少年が、突如として覚醒し、アマチュアリーグで22打席連続ホームランの豪打を披露したというのである。
どうせ球場が狭いとか童顔なだけで大人だったとかのしょーもないオチだろうとは思いつつ、ネタに困った現地の日本放送局が、暇潰しで取材を敢行。クルーたちは、そこで信じられない光景を目の当たりにしたのであった。
「日本のプロ野球チームから送ってもらったこのバットで、物凄く打てるようになったんだ」
少年からバットを借りたスタッフが、ボールを投げてもらい、試しにスイングしてみると、打球はスタンドどころか場外の彼方へと飛んでいったのであった。
「おいおい何だこのバットは!」
「圧縮かコルクか? どちらにしても完全に違法バットじゃねえかこれ…」
「一体どこのインチキ野郎がこのバットを………あっ、城戸! イ軍の城戸の名前が書いてある!」




