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【不二村監督編③】捨身の不良債権運用
“球界一、非得点圏で豪打を見せる男”ことイ軍の4番、城戸。
そんな歩く不良債権と化している城戸であったが、Bクラス優勝(4位)が狙える位置につけた9月からの勝負所での猛打は、これまでとは別人のようであった。
公表されてはいないもののどこか負傷でもしたものか、代打での起用が多くなってはいたものの、少ない出場機会で確実にヒットを放ち、チームの勝利に貢献しているのである。
一体どうしたのか。中の人でもいるのであろうか。
「野郎は打率3割維持と100三振回避で、全部計算づくでやってやがるからな。そこを逆手に取って、3割を維持できるかできないかぐらいのところで出番を調整してやってるのよ。“ここで打っとかないと3割がきつくなる”て場面で代打に出してるワケだ。打ってくれるのは助かるが、全部春先ダメだった分の帳尻だからなあ。腹立たしさもデカいわな」
とは、今季限りでの退任が決まってヤケを起こし、城戸をスタメン4番から外す毎に契約違反で罰金を喰らい続ける監督不二村の弁であった。




