イ軍が当てればメジャーが儲かる
ドラフト会議当日。
甲子園春夏連覇のDL学園エース晴田は、ドラフト会議の史上最大、10球団競合となった。「12球団どこでもOK」の方針を打ち出した事を受け、資金難の球団までが、一縷の望みを賭けて獲得に乗り出したためである。
そして、この世にやはり神はいないのか、クジ運だけは無駄に強いイ軍球団社長唐津が当たりクジを引いてしまう。
“球界の掃き溜め”ことイ軍に自らの野球人生を握られてしまっ事で、DL学園で会見に備えていた晴田の表情が、あからさまに歪む。
20年に一人の逸材がむざむざ破壊されてしまう!
特例でイ軍は晴田を今すぐトレードしろ!
等々、日本中の野球ファンが、イ軍への大ブーイングで一つになった瞬間であった。
この事態に、
「イヤッホオオウウウウウ!!!!wwwwwwww」
狂喜乱舞したのがメジャー関係者である。
晴田は12球団OKとは言いながら、環境の劣悪さと育成能力の無さで若手がほとんど出てこない惨状から「※ただしイ軍は除く」というスタンスなのは、半ば公然の秘密であった。
他球団にクジを引かれていたならともかく、これで一転、メジャー入りの目が出てきたのである。
「唐津が我々の救世主になるかもしれない」
等々、勝手な事を言いながら、晴田獲得を狙うメジャー各球団は祝杯を上げたのであった…。




