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【城戸編26】ここぞの猛抗議
6回裏、イ軍城戸の打席で微妙な判定が発生。
ぎりぎりストライクゾーンを外れたかに見えたスライダーに、審判の手が上がってしまったのであった。
球審は、城戸と相性が良くない事で一部では有名な立山。
基本的に審判に対しては滅多に文句をつけない城戸であったが、これまで積もり積もった感情が爆発したか、激しい身振り手振りを交え、立山に猛烈な抗議を展開するのであった。
「城戸退場! 退場しろ城戸!」
城戸の必死こいたみっともない姿に刺激されたか、一体この閑古鳥が鳴く球場のどこにそんなにいたのかと思う程のイ軍ファンたちが、地鳴りのような大ブーイングを合唱。新宿スタジアムは俄かにヒートアップしたのであった。
「だから早く俺を退場にしろっつってんだろ! 普段文句をつけねえ奴がキレたから驚いたとか何とか言ってよ! 半沢を録画し忘れたからダッシュで家に帰らねえと間に合わねえんだよ!」
「それを聞いちまったら尚の事退場させられねえな。これから出てくるサ軍のリリーフは左だろうし、最後まできっちり凡退してせいぜい打率を下げて帰ってくれや」




