【城戸編25】他ファソからの熱烈城戸コール
開幕から3カ月4番を張りながらも、打率2割を切る極めつけの不振で二軍落ちしていたイ軍城戸。
そんな彼の一軍復帰試合であるビジター球場東京ドームでのバ軍戦、大ブーイングに迎えられながら、最終打席を迎えたものである。
ここまで全くいいところなく、3打数無安打2併殺と、明らかにスイングが鈍く、全く打てそうにない城戸。
しかし、そんなMI5(マジで引退5秒前)状態の城戸に対して、去年バ軍生抜きスターである湯上のホーム球場での200勝達成を阻止された恨みを晴らさんとばかり、バ軍ファンによるブーイングにもより一層熱がこもっているのであった。
だが、ここからが城戸の城戸たる所以であった。
今日一番のブーイングを喰らいながらも、ドーム職員の空調設備設定ミスを読み切り藁、スタンド最前列にギリギリ飛び込む限りなくインチキ臭いホームランを放ったのである。
これには一瞬、球場が不気味に静まり返ったのであるが、一転、大歓声が弾け、熱烈な城戸コールが湧き上がったのであった。
「フッ、普段は散々ブーイングしまくっても、評価するところは評価する。さすがバ軍ファンは目が肥えてるぜ」
と、試合後の記者会見、ドヤ顔で語る城戸であった。
「やった! これでイ軍は明日も城戸を使わざるを得なくなったで!」
「うーむ、さすが城戸。12-0の本当にどうでもいい場面できっちりホームランを打ちやがった」
「ウチはまだイ軍と直接対決9試合もあるからな。この調子で城戸にスタメン定着してもらって、危ない場面では凡退しまくってもわらないとな藁」
さすが平均野球偏差値が高い事で名高いバ軍ファン、先の先まで見越した城戸コールなのであった。




