ベストメンバーなら勝てた
またぞろイ軍が不名誉な勲章をゲットした。
今度は2軍が、夏の甲子園選抜チームに2-13で完敗してしまったというのである。
いくら球界のお荷物と罵られていようが、仮にもプロである。社会人や大学生ならまだしも(いや、まだしもではないが)、高校生に負けてしまうとは…。「イ軍1軍よりも高校野球の強豪DL学園の方が強い」という使い古されたジョークがあるが、今回は半ばそれを裏付ける格好となってしまった。
これに収まらないのは二軍監督の不二村である。
このような今後半永久的に語り継がれるであろう歴史的屈辱に塗れながらも、マスゴミに取材されていないと死んでしまう程の病的な目立ちたがりであるところの不二村は、きっちりと会見場に現れ、応対したものであった。
だが、型通りに高校生たちを讃えた後、マスゴミから今日の敗戦について根堀り葉掘り突っ込まれまくる内に、遂に我慢の限界を突破。マスゴミに対して怒鳴り散らす仕儀となったのである。
「だからよ!今日はベストメンバーだったら楽勝だった試合なんだよ!」
この大噴火に対し、内情を一番分かっている新スポのイ軍番が、悪質なビーンボールばりの煽り質問をぶつけたものである。
「でも監督、今日のオーダーは1軍で四番を打ってる城戸選手もいるし、メジャーで首位打者の桑島選手、本塁打王2回の副島選手のクリーンナップ、先発は200勝投手の篠崎選手だったんですよ。超ベストメンバーじゃないですか」
「うるせえ馬鹿野郎! 全員一軍で使い物にならねえからって二軍に送られたロートル揃いじゃねえか! 二軍は産廃処理場じゃねえんだぞ畜生!」
球団指令で心ならずも客寄せオーダーを組まざるを得なかった不二村監督、血の叫びであった。




