122/5134
生まれ変わったイ軍戦士
球界一感じの悪い集団として悪名高い東京新宿イディオッツの選手たちであったが、
「今年は違う」
と、関係者の間では話題になっていた。
曰く、試合前には必ず相手チームの監督以下首脳陣へ挨拶に出向き、人が変わったように愛想を振りまきまくる、というのである。
さすがに城戸や神崎らの一流どころ(※根性の曲り具合が)にそのような事は無かったものの、中堅以下の選手たちは、これまでの態度の悪さはどこへやら、完全に別人と化してしまっているのであった。
この珍現象、原因を突き詰めれば、今年セリーグ最下位のチームは消滅となる、というリーグ決定に行き当たる。
何の事は無い、戦力的に消滅筆頭候補であるところのイ軍に所属する選手たちの、他球団関係者への挨拶攻勢は、
「イ軍が無くなっても、どっか別のチームに拾ってもらって何とか球界にしがみつきたい」
という、生臭い就職活動の一環なのであった…。




