【城戸編21】城戸せんしゅにしかかなえられないゆめ
ダーティ集客路線で散々叩かれ放題だったイ軍であるが、ここに来て方針転換。子供たちを対象にした「夢、実現!プロジェクト」を発表した。
子供たちの夢を選手に届けて、それを叶えてもらうという企画である。
この企画、どうせ女子小学生をダシにした欲求不満の母親連中からの、イケメンエース相原へのセクハラじみた要求しか届かないと思われていた。
しかし、意外や意外、大不振に喘ぐ主砲城戸への、男子小学生からの熱い「夢」が断トツで多かったのである。
これには城戸もご満悦、
「やっぱり小学生の純真な心には、本当に大事なものが何か分かるんだよな」
とドヤ顔で触れ回り、関係者を大いに鼻白ませたのであった。
そして、「夢、実現!プロジェクト」の当選者を抽選で決める日。
城戸の分を球団職員が無作為に抽出し、開封―――そして、爆笑。
「城戸せんしゅがいんたいして長森せんしゅが4番になるのがみたいです」
これにはその場にいた関係者全員が大笑い。
「じゃあ他のも一応見といてやるか」
と、段ボール4箱分はある手紙の束を開封しまくったところ、これ全て同じ。城戸頼むから引退してくれという内容の、超現実的な「夢」だったのである。
先般の城戸のセリフに掛けて、しばらくは、
「やっぱり小学生の純真な心でも、城戸は本当に救いが無いように見えたんだな」
というパロがイ軍内部で大流行したのであった…。




