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【綿貫編①】オールスター選出がリーグ負けフラグ
イ軍正捕手綿貫の全盛期。
打率3割、20ホーマーをマークして打力にも定評があった時分、何度かオールスターでファン投票選出されたものであった。
しかし、数度目の出場後、
「綿貫が選ばれた年は負けを覚悟しなければならない」
という都市伝説が浮上した。
綿貫がシーズンの戦いを有利に運ぶよう、セリーグ各球団主力投手の持ち球と癖を全て丸裸にする事を優先し、オールスターの勝敗を投げてしまう…というのである。
どこまで信用していいものかという情報ではあったものの、普段、関係者から漏れてくる綿貫の人格破綻エピソードからすれば、信じる者が多かったのも、無理からぬ話ではあった。
「じゃあ奴が受けてる間はまともに投げねえよ」
そう言って、綿貫を警戒した投手陣が直球ばかり投げ、パリーグ打線に火達磨にされる――そして、大炎上した流れで後半戦に入り、微妙に調子を狂わせていく。
結局のところ、どうやろうが綿貫が目論んだ通り、他5球団の戦力ダウンには繋がっているのであった…。




