【城戸編⑪】サイバー攻撃
オールスター投票の中間発表が実施された。
今年は特に大きな波乱もなく、イ軍ではエース相原のみが投手部門ベスト5入りと、極めて順当な結果に落ち着きそうな雰囲気であった。
しかし、そこにいちゃもんをつけたのが、イ軍の虚砲こと4番城戸である。
「NPBはサイバー攻撃を受けている」
と主張し始めたのである。
曰く、
「セリーグ外野手部門で俺の名前が入っていないのはあまりにも不自然。俺の人気を妬んだ他球団選手の陰謀だ」
という、聞いてるだけで頭が痛くなるような話を展開。まーた始まったと、イ軍ファンは絶望的な気持ちに、そしてマスゴミはネタが出来たと喜んだのであった。
だが、事態は意外な展開を見せる。
何と、サイバー攻撃はともかくとして、NPBが実際にオールスター投票で城戸の獲得票数に間違いがあった事を認め、謝罪したのであった。
「城戸選手の獲得票数について、訂正致します。発表票数は201ですが、不正な多重投票があったっため、実際の獲得票数は3でした。謹んでお詫び申し上げます」
風の噂では、多重投票を実行したメールアドレスは、「kido@mail.○○.co.jp」というアドレスだったとの事である…。




