私が純文学を書けないわけ
純文学の定義
娯楽性に主眼を置いている大衆文学と異なり、芸術性を重視している。また、人々を楽しませるのが目的ではなく、作者の純粋な意識により作成される。
純文学の自主企画を主宰されているしいな ここみ様に書けませんと泣き言を言ったところ、アドバイスを頂きました。
『純文学が書けない苦しみを重々しく書いたら純文学になるかもしれませんよ(๑•̀ㅂ•́)و✧』
ありがとうございます。
結局、純文学でなくエッセイになりましたが書けて良かったですm(__)m
『純文学ってなんだ?』企画参加作品です。
私は、まだ純文学を書けない。『まだ』と自分に言い聞かせる。もしかしたら一生書けないかもしれない、という恐れから目をそらす。
なぜ、自分に純文学が書けないか。私はわかる物語しか書きたくないから。
私の創作動機。
読んで欲しい。自分の考えや想いを知って欲しい。
承認欲求が尊敬されたい欲なら、受容欲求とでも名づけようか。
私は普通の人と感覚が違う。感性が違う。能力が違う。思考が違う。それは子どもの頃から自覚していた。
私は『普通』を否定したいと思ったことは無い。
「そんな考えもあるよね」と受け入れて欲しかっただけ。ただ、自分も仲間に入れて欲しかっただけ。
私には恋愛感情が無い。
「心が無いの?」「家族以外に好きな人がいないなんて、そんな人生つまらなくない?」「生きている意味はあるの?」「冷たい人だね」
違う、違う、違う。
愛は知っている。家族は愛しているし、それ以外の友人たちも好きだ。街を歩く子どもを見れば守りたくなるし、恋をしている人たちの幸せな姿を見るのも大好きだ。
ただ、どうしても相手を独占したい気持ちが分からない。嫉妬の気持ちが分からない。一人を特別と思う気持ちが分からない。選ばれたい気持ちがわからない。その人に嫌われたら生きていけない、そんな絶望が分からない。
だから書いた。
『100人に一人からのラブレター(恋文)』
私は外見を気にするという感覚が麻痺?している。
一応、清潔感には気を付けている。TPOに合わせてスーツや冠婚葬祭に相応しい服装をすることに抵抗はない。
ただ、可愛くなりたい、美しくなりたい、みっともない姿は見せられない。
そんな気持ちが分からない。
だって美人って大変だから。
一応は女性なので、美しくなるのがどれだけ大変かは知っている。
「化粧なんて、ファンデーションと口紅だけなら5分あれば出来るだろ」
そんなわけない。ナチュラルメイクが一番手間がかかるのは周知の事実。また本当に化粧自体が5分でも、それで終わりではない。
どんなに肌に優しいとうたう化粧品でも、負担は大きい。
一日の終わりに化粧を落とさねば、肌は荒れる。どんなに疲れていても、酔っていても化粧を落としだけは忘れないと言う女性は多い。
クレンジングクリームの刺激は強い。メイクを落とした後は、化粧水や乳液が必須である。
化粧品自体も決して安いものではない。
洋服や持ち物、アクセサリーに髪型。手間も金額も、累積で考えれば莫大になる。
なのに世間は言ってくる。
「美人は得」「女と生まれたからには、お洒落しなきゃ」「化粧は身だしなみだよ」「可愛げが無いのは損だよ」
イヤだ、イヤだ、イヤだ。私はこのままでやっていく。気楽な恰好で好きなことをして生きていく。口紅より本を買いたい!私は、私の姿が好きだ!歳を取ろうが、しわが出来ようが、太っていようが、全部わたしだ!見も知らない、だれかの意見でそれを恥じるなんてイヤだ!己の生き方は自分が決める!
だから書いた。
『グレー』
『プロポーズはお姫さまから』
私は臆病者だ。自分が弱いからこそ、弱者が傷つけられるとこなんて見たくない。
SNSで読んだ意見。
「人を傷つけない、笑いなんてない」
それはユーモアの一面でしかない。
笑いとは緊張の緩和によるもの。
加害行為で緊張し、それが他者へのものだと分かると安心する。それにより笑いが生じるのは確かだ。お笑いにツッコミという名の攻撃が用いられるのは、昔からある様式美。
それでも私は、エンタメの名のもとに行われる加害を見るのが辛い。
緊張と緩和の仕組みさえ守れば、笑いは生まれる。
まず相手を常識外の行動で驚かせ、常識内の知識や価値基準に添う解説で安心してもらう。これをテンポよく行えばよい。
誰かを傷つけなくても、笑わせる事は出来るんだと。それを証明したくて書いた。
『人類の歴史は戦いの歴史! あなたが選ぶフィールドはどれ⁉』
『前例の無い婚約破棄により王子に訪れる『ざまぁ』。巻き込まれたヒロイン。痛みに耐えながらも、全てをスルーした悪役令嬢のテンプレストーリー。』
『流れ星への祈りを叶えるゾウ』
私の書く小説は弁明だ。
こんな選択肢もあるのでは?こんな考えもあるのでは?こんな人も、いても良いのでは?
のけ者にしないで。疎外しないで。認めて。
だから私は、わかりやすい物語しか書けない。わかってほしい、そんな欲を捨てられないから。
いつか、私も純文学を書けるだろうか。
誰にも理解されなくていい、と思える強さを手に入れた時に。
それでも良い、とわたしが『自分の物語』を受け入れられた時に。
重々しくシリアスに、純文学が書けない苦しみを書いてみました。
いかがだったでしょうか?
という訳で、しばらくはエンタメ中心の創作を頑張ります。(^^)/