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94p

ユリドレとメイシールの部屋に到着すると、そこには赤髪で赤い瞳の華奢な青年が忙しそうに書類と向き合っていた。


「おかえ……りって…もしかして姉様?」青年は顔を上げて驚いた表情を浮かべた。


「ユフィ、あれはレイだ。時期当主になる予定のな。」ユリドレが教えた。


ユフィは驚きと喜びが入り混じった表情で、「レイ…こんなに大きくなって…。」と呟いた。


その時、ミレーヌが1歳くらいの首の座った赤ちゃんを抱っこして部屋に入ってきた。メイシールがその赤ちゃんを受け取ると、優しく微笑んで言った。


「この子が弟のユリシール。この子は髪の毛がブルーだから迷子にならないように私達の名前を半分ずつとってつけたの。」


ユフィは赤ちゃんの青い髪を見て微笑み、「可愛いわね…ユリシール。」と言った後、少し困惑した様子で続けた。「……あの…お母様…これ以上増えませんよね?流石に増えすぎて驚いてます。」


メイシールは楽しそうに笑いながら、「そうねぇ。でもお父さんも44歳だし、私も流石に…。」と言いかけた。


すると、ユリドレがすかさず口を挟んだ。


「メイ、近々もう一人作る予定ですよ。」


「え!?正気なの!?」。


「本気です。」


その相変わらずのラブラブな様子に、周囲の者たちは呆れながらも温かい笑みを浮かべていた。


ユフィはそんな両親のやり取りに笑いながら、「本当に…相変わらずね。」と呟いた。


レイは少しげんなりした表情で、「僕も大きくなるにつれて、兄弟が増えていって危機を感じてここに居座るようにしています。二人きりにさせると、すぐに兄弟が増えるので…。」と冗談交じりに言った。


ユリドレは微笑みながら、「さぁ、当分の間は忙しいぞ。ユフィの生誕パーティーにルーとエルレナのちょっと遅めの披露宴パーティー、その後、ユフィとレノの披露宴パーティーだろうな。」と続けた。


その言葉に、ユフィとレノは驚きの声を上げた。「え…え!?」


ユリドレは二人の距離の近さをチラリと見て、意味深な微笑みを浮かべた。


レノは少し顔を赤らめて視線を逸らし、ユフィも恥ずかしそうに顔を赤らめた。


メイシールは優しく微笑み、「ユフィ、レノ。これからもお互いを支え合って幸せになってね。」と言った。


レノはその言葉に頷き、ユフィの手をそっと握りしめた。

「はい、これからもユフィ様を大切にします。」と誓うように言った。


ユリドレはその様子を見て満足げに頷き、「よし、それなら皆で力を合わせて素晴らしいパーティーを開くとしよう。」と声をかけた。


こうして、レッドナイト公爵家では、ユフィの生誕パーティーとルーとエルレナの披露宴、そしてユフィとレノの披露宴の準備が始まった。


――――――――――

――――――


そして目まぐるしい日々が過ぎていき、あっという間にユフィの20歳の生誕パーティーが開かれた。レッドナイト公爵邸は華やかに飾られ、たくさんのゲストが集まっていた。メイシールとユリドレも嬉しそうにゲストを迎えていた。


パーティーの主役であるユフィは、美しいドレスを身にまとい、まるで光り輝くように見えた。彼女の赤い髪と淡いピンク色の瞳が一層引き立っていた。


レノもまた正式にシルバークイーン家の人間となり、堂々とした姿でユフィの隣に立っていた。彼の青白い髪と鋭い瞳が、彼の強さと優しさを物語っていた。


二人が姿を現すと、会場中が歓声と拍手に包まれた。ユフィとレノは手を取り合い、ゆっくりと会場を歩きながら、集まったゲストたちに笑顔で挨拶を交わした。


「ユーフィリア様!!お誕生日おめでとうございます!」とゲストたちからの祝福の声が次々と上がった。


「ありがとうございます。皆さんにお祝いしていただけて、本当に幸せです。」ユフィは感謝の気持ちを込めて答えた。


ユリドレとメイシールも二人の姿を見て誇らしげに微笑み、家族全員が幸せに包まれていた。


「ユフィ、本当に素晴らしい日だね。」ユリドレが満足げに言った。


「ええ、皆が集まってくれて、こんなに幸せな誕生日は初めてよ。」ユフィは瞳を輝かせながら答えた。


その後、二人は家族や友人たちと共に楽しい時間を過ごし、夜遅くまでパーティーは続いた。ユフィの20歳の生誕パーティーは、彼女の新たな人生の一歩を祝う特別な一日となった。



そしてその夜、月明かりが静かに差し込む中で、レノはユフィの部屋を訪れた。彼はドアを軽くノックし、扉をゆっくりと開けた。


「ユフィ、ちょっといいですか?」


「どうしたのレノ?それにその衣装はなに?」ユフィはレノの姿を見て目を丸くした。レノは白いタキシードに身を包んでおり、その姿はまるで童話の王子様のようだった。ユフィは思わず見惚れてしまった。


「ユフィにも着て欲しいドレスがあるんだ。」


「え!?今?」


「うん。今。」レノは穏やかに微笑んだ。


その後ろには使用人たちが控えており、ユフィを部屋に入れるなり、彼女に純白の美しいレースが組み込まれたドレスを手際よく着せ始めた。ユフィは驚きながらも、次第にその美しさに魅了されていった。


「レノ、これって…」


使用人たちは高価なアクセサリーを手際よくユフィに付け、彼女の姿を一層引き立てた。ユフィは鏡に映る自分の姿に驚きと感動を覚えた。純白のドレスは彼女の赤い髪と淡いピンクの瞳を際立たせ、その美しさはまるで天使のようだった。


レノはユフィに手を差し出し、「ユフィ、外へ行こう。」と優しく促した。


ユフィはレノの手を取りながら、ドキドキする胸の高鳴りを感じていた。「レノ、一体何を考えてるの?」


レノは微笑みながら答えた。「君を驚かせたいんだ。さぁ、行こう。」


二人は静かな廊下を抜け、庭園へと向かった。月明かりが二人の姿を優しく照らし、夜の風が心地よく吹き抜ける中、レノはユフィをしっかりとエスコートしていた。


庭園に到着すると、そこには小さな舞台が設けられており、花々が美しく飾られていた。レノはユフィを舞台の中央に立たせ、深く息を吸い込んでから言った。


「ユフィ、僕と結婚してくれませんか?」


「レノ…本当に?」


「ユフィがいないと、僕の世界は色を失う。だから…今から僕と永遠を誓いにいきませんか?」


ユフィは涙を浮かべながら微笑み、「…はい。」と静かに答えた。


ユフィはレノに体を密着させると、レノは彼女をしっかりと抱きしめ、風の力を使って二人は夜の空へと舞い上がった。月明かりが彼らを照らし、風が心地よく二人の間をすり抜けていった。


空を飛びながら、ユフィはレノの肩に顔を埋め、幸福と興奮が交錯する中で彼の温もりを感じていた。レノもまた、ユフィの存在を感じながら、彼女を守る決意を新たにしていた。


やがて二人は静かな教会に到着し、そっと地面に降り立った。教会の扉を開けると、中には常勤の神父が一人、静かに祈りを捧げていた。ステンドグラスを通して美しい光が教会内に差し込み、神秘的な雰囲気を醸し出していた。


レノはユフィの手を握り、祭壇の前に立った。


「ユフィ、この瞬間を君と共有できることが本当に幸せだ。」


ユフィは涙を流しながら微笑み、「レノ、私も…ずっとこの瞬間を夢見ていたの。」と囁いた。


二人は互いに見つめ合い、静かな教会の中で誓いの言葉を交わした。


「ユーフィリア、僕は君を愛し、尊敬し、支え続けることを誓います。どんな時も、君と共に歩んでいきます。」


ユフィもまた、同じように誓いの言葉を述べた。


「レノディリアス、私はあなたを愛し、尊敬し、支え続けることを誓います。あなたと共に歩む未来が、私の幸せです。」


そして、深くキスを交わした。そのキスは、二人の愛が永遠であることを証明するものだった。


レノとユフィが深くキスを交わしたその瞬間、神秘的な光が二人の周りを包み込み、教会全体が輝きに満たされた。ユフィの名前が神の祝福によってユーフィリア・シルバークイーンに変わり、二人の手の甲に神の紋章が刻まれた。


その紋章は美しい光を放ち、二人が神に認められた永遠の絆を象徴していた。ユフィは驚きと感動で涙を浮かべながらレノを見つめた。


「レノ…これは…」


レノもまた、その紋章を見つめながら、深い感動と喜びを感じていた。

「ユフィ、これで僕たちは永遠に結ばれたみたいです。神様が僕たちを祝福してくれました。」


神父は静かに二人に近づき、その紋章に手をかざしながら祝福の言葉を述べた。

「神の前で誓い合ったこの愛は、永遠に続きますように。あなたたち二人の愛が、これからも強く輝きますように。」


教会の鐘の音が静かに響き渡り、二人はその音に包まれながら、新たな人生を歩み始めることを改めて誓った。その夜、二人は心からの愛と喜びを感じながら、教会を後にした。

読んで下さってありがとうございます!

お手数かけますが、イイネやブクマをいただけたら幸いです。モチベに繋がります( *´艸`)

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