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微エロです!何をしているか鮮明に記入していないので、大丈夫かなぁって思っているのですが、微エロ注意とだけ言っておきます!
「あーー、もう!どうしてこんなにパーティーが多いのかしら。」
メイシールは軽く山積みになったパーティーの招待状と睨めっこしていた。
(上位貴族の誘いに俺が断れないと思っているようだな。小賢しい。)
私は後ろから招待状を眺めているだけのユリに「ユリも真剣に考えて下さい!」と言った。
「考えてますよ。全てお断りしましょう。メイの体が心配ですから。」
ユリはいつものキラキラスマイルを浮かべている。私は彼にすっかり慣れてしまい、これは本気だなと悟った。
「ですが…。」
「続きはベッドの上で聞きたいです。どうせやることもありませんし(メイが書類を全て片付けたので)、足も完治した事ですし、一戦どうですか?」
「な、な、なんですか!その一杯いかが?みたいなノリ…。う…面食いな自分が憎い。いえ、ユリに誘惑されて落ちない女性はこの世にいないでしょうね。」
私があきらめの溜息をつくと、それを肯定ととったユリは私をベッドへ運び、使用人を全員下げさせた。そして、私とユリは二人だけの甘い時間を始めるのだった。
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一方で王宮から派遣されたスパイの騎士は外から魔法の目を使って、部屋の中を監視していた。
(おいおいおい、まだ明るいうちから今日もおっぱじめやがった。妊婦相手にイカレてやがる。あの調子じゃ、ほっといても流れちまうんじゃねぇか?しかし、あの嬢ちゃん。12歳とは思えないオーラに淑女としての完璧な所作。それから知能を持ち合わせている。ただの使い捨てにされるには勿体ないぜ。パーティー作戦が上手くいかなかったら、俺が腹でも殴って、堕胎させて捨てられたところを拾ってやるか。)
スパイはしばらく監視していたが、特に怪しいところもないので監視を切り上げた。
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甘い時間が終わり、ユリはソファーに座り、その膝の上には私が座っていた。使用人達が3人係でベッドのシーツを交換していた。
「良い汗をかきましたね。」
ユリは私の頭を撫でたり、耳にキスをしたりなどしてきたが、それよりも考えることが多かったので好き放題されるがままになっていた。
「そうですね。」
「まだ愛されたりないようですね。」
そうユリが言うと使用人達がビクリと体をこわばらせた。その理由は分かりきっている。またシーツを変えねばならなくなるのかという面倒臭さからだろうと思われる。
「いえ、もう少しだけ休ませて下さい。」
ユリも流石に使用人達の視線を感じて「問題無い。一緒に湯浴みをする予定だ。」と言うと、明らかに使用人達からホッとしたような雰囲気が漂っていた。
「えぇ!?」
心を乱されたのは私だった。顔がカァッと熱くなるのを感じた。
(ほんとに一緒に入る気!?どうかしてるわ…。)
「最近、俺だけ恥ずかしい思いをしているので、どうせなら一緒に恥ずかしいことをしましょう。夫婦ですし。」
「は、はず‥‥は?」
顔を赤らめ、金魚やコイのように口をパクパクさせている私に、ユリが耳元で「難しい顔はいけません。気取られてしまいます。」と呟いた。
「…っ!!」
ユリは私を抱き上げて、部屋に設置されているバスルームへと連れ込んだ。脱衣所には仕切りがしてあり、着替えるところが見えないようになっていた。予め用意されていたバスローブに着替えて浴室へと移動する。ユリはバスローブ姿で火の特殊能力を使い、冷たい水を丁度良い温度のお湯に変えていた。
浴室だというのにそこそこ広くて、濡れても大丈夫そうな竹製のベッドまで置かれていた。
「浸かりますか?」
「浸かりません。」
ユリはまた私を抱き上げて竹製のベッドの上に座って、膝の上に私を座らせた。
「あの…誰にも見えないと思いますけど…。」
「初夜の日にも言いましたけど、俺は俺のしたいようにしてるだけです。アナタに見せるこの顔こそが真実ですから。それに、お互いもう全て知り尽くしているに等しい仲ではないですか。そんなに恥ずかしがっていては体が持ちませんよ?」
「う…。」
実は、私たちの甘い時間には秘密があった。それは、至るところに配置されている王が送り込んだスパイのせいだった。
―初夜の日―
私とユリはベッドの上だった。
「では、はじめましょうか。」
ユリは使用人を全て下がらせて、私の上に覆いかぶさった。
「あの…本当に初夜を?」
彼の唇が私の唇に触れた。妊娠中なのに、大丈夫なのかと心配したが、彼はキスだけを続けた。しばらくして覆いかぶさったまま彼は少しだけ楽な体勢に切り替えた。
「監視の目がついていました。どうやら、俺達が単純に性行為をしていると思い下げたようですね。」
ユリは鋭い目つきで窓の方を睨んでいた。
「どうして…?そういえば、何人か王城勤めなはずの騎士がここにいましたけど、それが関係しているのですか?」
その言葉を聞いて、ユリは恐い顔つきのまま私を見つめた。
「なんだと?…それは本当ですか?」
「はい。最初の人生で王宮に滞在する機会が多かったので、だいたいの顔は覚えてます。古い人も、この先入隊する方も。」
ユリはそのまま、私を敷いた状態で腕立て伏せを始めた。ユリの顔は私の方に向けたまま眼球だけが窓の方を向いていた。どうやら、再び監視の目がついたようだった。腕立て伏せをしているせいか、ユリの息遣いは荒くなった。確かに窓の外からみれば、熱い初夜を迎えているようにしかみえないだろう。
「困りましたね。まさか王がそこまでしているとは。よほどレッドナイト公爵家が気に入らないようですね。」
「そのようですね。」
「本当にすみません。俺の落ち度です。さて、どうするべきか…。」
次第に吐息が耳にかかり、それに耐えられなくて両手で顔を隠した。
「あの…流石に恥ずかしいです。」
「俺も…結構恥ずかしいです。」
指の隙間から見える彼の顔は真っ赤になっていて、本当に恥ずかしがっているのがわかった。彼と過ごした約十ヶ月間の記憶のせいか、彼のことを、とても可愛いと感じるようになっている自分に気付いた。なので、彼だけが頑張っている状況をどうにかせねばと思い、思い浮かんだことを提案してみることにした。
「ユリ…疲れたらまたキスでもして下さい。」
愛情を沢山注いでくれていた彼を長い期間恐がり、拒絶した罪悪感が少しあった。しかし、彼が私にしてくれることは本当の愛情から来ているものだと今では確信できたため、心を許すことにした。
(そうよ。キスでも何でもこいだわ!夫婦なんだから!!)
「メイ。気持ちは嬉しいですけど…その、あまり誘惑しないで下さい。本当にアナタの体に負担をかけたくなります。話し合いどころではなくなります。」
彼は何かを我慢しているかのような辛そうな顔を浮かべながら腕立て伏せの速度をあげていた。次第に彼の体から汗が滴り落ち、美しい筋肉がバスローブの間からチラリチラリと見え隠れし、私の心臓がバクバクと高鳴ってしまう。
―――そうだった。忘れてはいけない。この人が本当に私のことを愛してくれている可能性が高いということを。愛するに至ったきっかけがイマイチわからないので100%信じることはできないけれど、彼に殺されないということだけは確かなはず。
あまり刺激しないように、気を付けてあげないと‥‥。
「その、アナタに何をされても大丈夫ですから、無理はしないで下さいね。」
彼の動きが突然ピタリと止まった。どうしたのだろうと思い、顔を覆っていた手を下げた。
「…何をされても…?本当に?」
「はい…。」
「俺は忠告はしましたよ。煽ったのは…アナタだ。」
ユリの目が血走っていて、明らかに変な様子だった。二度は結婚して結婚生活を送ったのだから、これが男性のどういう状態を表しているのかはちゃんと察しがついた。
「すみません。…その…どうぞ。」
「どうぞ?……少し背を向けていて下さい。どの道あとでしなければいけないことでしたので。」
「え?あ、はい。」
ユリが私の左側に移動したので、私は右を向いてユリを背にするようにして横になる。
・・・・・【自主規制の為の美しい動画再生中】・・・・・・
30分後。
私とユリは疲れはててベッドでぐったりと横になっていた。私の場合は精神的にというべきだろうか。
「今日はまともな話ができませんでしたね。できれば毎日こうして報告しあいましょう。かまいませんか?」
まともな話をされているのに、先程の甘い時間のせいで気が散って仕方がなかった。
「は、はい。」
「それと、スパイの騎士や、使用人を教えて下さい。顔写真付きの一覧表を明日お渡しします。」
「はい。」
「後、今後…俺は俺のしたいようにアナタに接することにしました。今アナタが見てるこの顔こそが真実です。それだけは覚えておいてください。」
それから、二人だけの甘い時間は、極秘の連絡交換時間となっているのだ。
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