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ひと時の平和

事件から数週間が経った。犯罪組織はまだ捕まっていないが、被害はほとんどなくなったそうだ。

タレちゃんも帰ってきて、今ではすっかり一緒に遊ぶ仲になった。


ー・ー・ー

「そろそろ、調教を始めないとな。」

「早いに越したことはないぞ。」

パパと話しているのは、病院の帰りでも会った馴染みの酪農家だ。最近はよくウチに来る。


「でもよ、誰がするんだ?アルバイトの子ももう辞めちゃったんだろ?」

「うーん…。俺がやる。」


「できんのかよ、ゲルタに。」

「舐めて貰っちゃー困るね。これでも数々の重賞馬を出した、スペシャルニコニコ・ハウトファームだぞ。」

「いい加減、その名前変えないか。長いし…。」


ー・ー・ー


「パパ、なにしてるの…。」

「ほらメープル、こうだ。右、左、右!」

(私は何を見てるんだろう。)


目の前で大人がハイハイをしている。


(こうかな…。)パカパカ。

「うーん。ちがう。こうだ。」ヨチヨチ。

パカパカ…。

ヨチヨチ…。


(だめだ。全く分からない。)

「だめだ。全く分かってくれない。」


(ごめんね、パパ。言いたいことは分かるんだけど、パパの動きが…。)


「パパ、そろそろお休みしない?メープルも。」

(ナイスタイミング。ミア。)


「でもな…。後ちょっと。メープル、これだけは覚えてくれ。ほら、こう。」ヨチヨチ…。

「ミア、お腹空いちゃった。」



「おーい、ゲルタさーん。ミアちゃーん。」

「あっ、おばちゃんだ!おーい。」

(レタスの人だ。)

パカパカ。


「これ、今日採れたてのミニトマト。みんなで食べてね。」

(おおーっ!トマト!何年ぶりだろう。ミニではないけど…。)

トマトは私の大好物だ。生前、よくお弁当に入れていた。

ちょいと失礼して。


「だめよ、メープル。食べたらお腹こわすんだから。」

(えー。)ヒーン。



よし、みんな帰ったことだし、秘密基地でも行きますか。

おっ、タレちゃんも行くのか。ついておいで。 


すっかり元気になったタレちゃんは、私とかの基地に行くのが日課になっている。

始めはオオカミのこともあって、怖がっていたが、今では向こうから誘ってくることもしばしばだ。

それはなぜかと言うと…。


「ンモォ〜。」

飯のためだ。


ここの土を調べたところ、地下には他の草地の倍の魔力が染み込んでいた。

どうやらこの鼻は、マリアナや牛たちには分からない、微弱な魔力まで感知できるようなのだ。

嗅覚だけは私の取柄だったからな。近所の晩餐を言い当てるぐらいには。


という事で原理は分からないが、それを養分とした植物はよく育ち、美味という訳だ。


それにしてもよく食べるな、タレちゃん。いや、タレくんだったな。華奢な体だが性別は雄らしい。いやー。食べても太らない、女子には憧れの体質。一方私はというと…。マリアナのが遺伝して、ワガママボディの絶賛食事制限中だ。 

別に、言われたわけじゃない。ただ、ミアに「メープルのお腹タプタプー。」と言われたのが悔しかったのだ。

現在、ダイエット開始から早2日目。もうすでに限界が来そうだ。

まあ、育ち盛りだしいっか!


仲良く子牛と並んで草に埋もれる仔馬であった。


ー・ー・ー


「ほお、あれがヨセフーリアの。」

「高くつくぞ。」


「周囲に人影もない。結界も張られていない。」


「お前はここで監視をしてろ。」「任せましたよ。アシュ。」

「よし。始めるぞ。」


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