悪い夢
遅くなりましたが、お届けいたします。あまり詳しいことを語らないこの小説。佩眼なんて単語はありません。が、意味は結構考えて作っております。今回は区切りが悪すぎてあまりにも短すぎますが割と重要な話。
まただ。———————
また、頭に痛みがやってくる。部屋を出て、施錠し、階段を上る。そして、そのまま二階に続く階段も上り続け、突き当たりを曲がった部屋に入る。そこにはダブルサイズのベッドが置かれており、部屋に施錠をした後はカーテンを閉めて、ベッドに飛び込む。
慣れてきたとは言え、少し動くのが限界か・・・・・・
次第に痛みは増していき、思考がまとまらなくなってくる。
そして—————、
意識が沈んだ。
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夢を見ていた。
片目を失った少女が、青年と戦っている夢。
青年は見ていて寒気がするほどの無表情で、少女を、いや「少女達」を追い詰めていた。
淡々と、ただ淡々と作業のように剣を振るっている。少女達が次々とその眼能により攻撃するも当たらない。届かない。
当たり前のようにそう、物が上から下へ落ちていくのが当然であるように違和感も感じさせることなく攻撃を読み切り、逸らし、回避する。
故に無傷であり、しかし少女達は負傷していた。特に、片眼を失った少女は眼なき眼窩から血を流し、さらに右腕を失い立っているのもやっとの状態であった。
左手に持つ剣も刀身が中心部から折れている。しかし、それでもその眼には強い光が宿っていた。眼なき眼窩からも、まるで眼があるかのように確かに強い力を感じさせる。
そして、一人で青年に向かって走り出す。
手に剣柄を握りしめそこを起点として眼能が発現し、冷気を放つ刃となる。
「____まの....____きィッ!!!」
そして、勢いのままに青年に肉薄し、打ち合いとなる。
一手二手と打ち合いが続きしかし、結果は誰から見ても明らかだった。
技量の差が有りすぎていたからだ。七人で挑んでも、全員の眼能を使ってもなお無傷であった相手に対してなぜ立っているのがやっとの少女が有利に戦いを進めることが出来るだろうか。
さらに異常なのは青年は一度も眼能を使っていなかった。彼は眼能無しで彼女たちを圧倒していたのだ。
彼女を援護しようと、他六人が走り出すがその前に青年が動く。彼女の手を切り落とし、戦闘不能にした上で人質として取ったのだ。
少女の表情は悔しさと憎悪で歪み、何かを叫んでいるが聞こえない。
青年が他六人の動きが完全に停止したのを確認してから、少女にとどめを刺そうとした時だった。
その場に白と金を基調とした服を着た女性が現れた。優し気な雰囲気を纏い、その場にいるだけで場の空気が和んでいくかのようだった。
少女たちはその姿を見て驚愕を顔に張り付け、今まで全くの無表情だった青年も目を軽く見開き驚いているようだった。
しかし、次第に青年の顔が歪んでいく。
と、現れた女性に青年が気を取られた一瞬の隙に六人と少女が動きを合わせ、少女は自由となる。
六人の後方へ避難させられた少女に女性が駆け寄ってきて、眼能が発現し少女の腕が生えてきて各所からの出血も止まった。しかし、眼だけは元に戻らず眼窩は暗い様相を呈していた。
そして、少女の体が元通りに戻っていけばそれと同時に女性の顔がどんどん歪んでいく。よくよく見れば、女性の肌がところどころ灰色に変化しており肌を灰色が侵食していた。顔面に至っては右下のほうが完全に変色しきっていた。変色している部分は皴が増えて目で見ても分かるくらい硬化しており、その部分だけ遥かに年を取っているかのようで生命力を感じさせない。
そう、それはまるで—————————————
「枯れている」かのようだった。
————————目が覚める。
嫌な夢を見た気がする。とても不快で、とても腹の立つ夢を。
全身は汗で濡れており、気持ちが悪い。
この建物は今は俺の所有物ではあるが、他にあの男以外を入れていないので手入れをする人間がいない。
風呂の準備をするのも一苦労だろう。
どうするか...屋敷にもマシロの元にもしばらく行くことが出来んからな。服もこのままでは臭ってくる。
口に加えて体まで臭えば、山賊の出来上がりだ。ついでに山から下りてくるわけだからな。
まあ、無難に街まで戻って共同の風呂まで行くか?
いや、ここ最近周りが随分と騒がしいからな。知らせが来るまでは隠れていた方が良いか....
となれば、久しぶりに山にこもって修行でもしようか。
あいにくこの山の事は....よく知ってるからな。
実はですねぇーモンスターズ3にハマっちゃいまして(;^^)ヘ..作者はキ○ーマシン2が大好きでございます。
よければ、いいねぇぇぇとお星様を下さいな。ブクマ登録もよろしくんご。