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方針

 さてと、不完全燃焼過ぎてもはや火をつけたのかすら分からん終幕を迎えた使用人一同の処分だが、エントランスから逃亡を果たし、自室にて鍵をかけて閉じこもっている今だからこそ改めてもう一度不完全な記憶と保留にしている問題について考えることが出来る。


 目下、特に重要なことが二つある。


 一つ、破滅の運命とやら

 一つ、保留にしている欠落した記憶を思い出す方法


 順番に考えてみよう。


 破滅の運命とやらだが、他に思い出した事を結んで考えれば推測は出来る。今回は恋愛ゲームとやらの中の俺が「悪役貴族」であるという点だ。客観的に見て「悪役」と言うことはおそらくだが、俺が「佩眼者狩り」をしていることが関係しているのだろう。俺がどの程度の事をやらかしたのかは知らんが、最終的に破滅が訪れるくらいの悪事をやってのけたわけだ。そして、この問題についての答えは既に出ている。すなわち、佩眼者狩りを止め、善人として振る舞うこと。


 .....だが、残念なことに俺はそれをやめる気は毛頭無い。故に、破滅の運命とやらが必ずやってくるだろう。「佩眼者狩り」を止めずに破滅の運命を回避する方法か、いやそもそも回避など不可能ではないか?生まれ変わる前とて外道と呼ばれ、生まれ変わっても外道と呼ばれる人物になっている。忌々しい記憶の中で唯一愉快な事実だがもはや俺にはこの「道」以外ないようにも感じる。現に今の俺は「佩眼者狩り」をやめることが出来ない状況に追い込まれているともいえるからだ。


 であれば、俺がするべきことは運命を回避する事ではないな。運命を打ち破ることだ。


 ———————すなわち、俺を破滅させるものを潰すこと。しかし、とても残念なことに破滅することは知っているが、どういう破滅を迎えたのかなどは一切分からない。痛みと不快な感情もたらすだけの役立たずな記憶だ。だが、心当たりが無いわけではない。恐らくだが、俺は沢山恨みを買っていたのだろう。今だって恨みの一つ二つ余裕で買っている。それがあまりにも肥大化した結果俺の破滅の未来に繋がるというのが、現状では一番あり得そうな話ではある。となると、対処はその直接的な原因を叩き潰せるほどの力を手に入れることだ。単純明快、簡単な事。そして、それはこの記憶を思い出す前からも続けていること。しかし、それでは破滅するのだろう。今のままでは足りんか.....それとも恨みを持つ人間が現れないように当人含め関係者全員殺し尽くすか?ありだな。俺が、「悪役貴族」で破滅する未来が決まっている以上、それが一番良さそうな対抗手段ではある。一番簡単なのは「佩眼者狩り」を止めることだが、残念ながら俺は止める気は無い。その他も例えば、捕まって死刑判決を受けるなど色々想像できるがやはりそういった場合も国を相手取って通用する力を身につけていればいいだけの話だ。決まったな。


 考えてみれば実に簡単な事じゃ無いか。今までやってきたことと変わらない、しかし現実にはそれでは足りなかっただけ。


 運命を叩き潰せるほどの確かな力をつけること。

 そして、関係者となった者を残さないこと。


 さて、一つ目の問題は解決だ。要するに、脅威たり得るもの全てを粉砕すればいいだけの話。しかし、「佩眼者狩り」を止める以外で脅威を回避できる方法があるなら考えてみる価値はあるだろう。まぁ、そんなことは無いと確信できるがな、じゃなきゃ悪役貴族なんて言われるはずがない。俺の目的に対する脅威の全排除。それだけだ。


 では、二つ目。記憶を取り戻す方法だが、これに関してはお手上げとしか言えんな。思い出そうとすれば、耐えがたいほどの痛みに襲われるし無茶をすればまた意識を失って倒れることになりかねん。記憶を思い出すタイミングにしてはフィーアと会ったときや外道と呼ばれたときなど何かしらのトリガーがあるのだろう。それが分からん以上記憶を思い出すことなど多分出来ない。何がトリガーとなるか分からんからな。しかし、それを改めて認識できただけでも十分な収穫だろう、とでも思っておかないとやっていられない。まぁ、また何かの拍子に思い出すだろうが何故破滅するのかなどは早く知りたい。


 そうすれば、早めに対策が立てられるからな。さて、方針は決まった。今より強い力を手に入れる。ありとあらゆる種類の「力」をな。


 ......であれば、


 —————コンコンコン


 早速邪魔が入ったな。そして、相手も予想がつく。


 しかし、今会うわけにはいかん。という訳で居留守を使わせて頂こう。


 —————ガンガンガンッ


 乱暴すぎやしないか?まぁ、流石に扉を壊すつもりなんてないだ.....


——————ドガァァン!!



 ッ!......反射神経ッッッ! 


 ————————その瞬間走り出す。



 そのまま、体の従うままに窓を突き破り逃走を図る。


 高さ2階からの逃走....10歳の子供にしては実に命知らずの行為だろう。しかし、問題ない。


 つま先から着地して、流れるように衝撃に沿って膝を曲げ、完全に体重が地上に預けられる瞬間に前転。衝撃をうまく逃すことにより、五体満足で降り立つ。


 さて、このまま屋敷からしばらく逃れるとするか。


 辺りはすでに暗く、俺は屋敷の事を知り尽くしている。見張りに見つからずに抜け出すなど朝飯前よ。


 

 

お話書くの始めたばかりなので、表現の仕方が難しく感じますんねェ!だから、少しでもいいなと思ったらブックマーク登録と星といいねを何卒!何卒!!

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