努力、飲酒、死亡。
春、出会いの季節。
例にもれず、私も出会いをも求めていた。
無論、性的な意味でだ。
蝉が夏に樹上でミンミンミンと鳴くように
大学生は春に出会い系サイトで「どしたん?話聞こうか?」と鳴くのである。
もちろん、私もその一人。
ラブホテルのベッドの上で「イク!イク!イク!」と鳴き散らかすため
ネット上で獅子奮迅の努力を繰り広げたのだ。
が、努力とは往々にして裏切られるもので、今回の努力もそうだ。
そして私が次の努力として選んだのが、大学で最高のキャンパスライフを送ることだった。
もちろん主目的はそれに付随する性行為である。
そして来たるべき大学入学初日
無理やりテニサーの新歓に滑り込んだ私
やってやる。そう決心した。
2時間後
うぅぅぅ
私は頭から崩れ落ち、腰と頭と足で地面と見事な三角形を作りダウンした。
さずがにウォッカ一気はやりすぎたもしれない…
男A「おい、こいつどーするよ?」
男B「え?こんなやついたの?」
女A「まあ、ほっといてよくね?」
一同 「そうだな」
「そうだね」
30分後、誰もいない路地裏にて。
暗闇。騒がしい繁華街の路地そこに倒れた男がむくり、と起き上がる。
うぁ!? あー---!
一発芸やりまーす!!!!
貞子!!!!!!!
そう!僕はブリッジした状態で全力で前に進んだのだ!
惜しむらくは、薄暗い路地裏の僕は貞子よりはゴキブリに近かったことだろう。
僕は懸命に、誰も見ていない一発芸をしてみせた。
カサカサカサカサァ!
バン!!(大破)
私の体はエビのように反り返ったまま、
3回転と一ひねりをして、無事、アスファルトに頭から着地した。
もしこれがマットの上だったならインハイ優勝は間違いなかっただろう。
両親よ、先立つ不孝をお許しください。
そして、我が息子よ、一度も使われぬ不遇をお許しください。
その日、薄汚い東京の曇り空に一点の穴が開いたいう。