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決め台詞をある意味キメた

作者: 土鍋ネコ

短編小説、初めて書きました!

暖かい目で見てください!

文字数も少なめなのでサクサク読めると思います!

よろしくお願いいたします!!

「僕は何をすればあなたに認めて頂けますか?」


「わた、わ、わ、私をスキにしてください!!」


 緊張のあまり、私は自分の発言に気付くのに少し時間がかかった。


 …………………………………………………………………………………………………………………




 長い沈黙、ザワザワとしているお客さん。(保護者)



 この空気間。やらかしたのは私、芳野(よしの)みや。





 〜〜〜〜(さかのぼ)ること3ヶ月前〜〜〜〜





「いよいよ、僕達高校生活最後の文化祭が近付いて参りました!」


「私達にとって、最後のイベントです!」





 学級委員の男女2人が前で話している。

 そっか、私達、もうすぐ卒業なんだ。

 なんか、そこまでの思い出がないな。

 何もかも楽しみだったのに、行事が1つ、また1つ終わっていくのが少し悲しく、寂しい。



「この文化祭、何をやるかについて話し合いたいのですが、意見のある人!」


「演劇!!」



 私の後ろの席の男子がそう言った。

 クラスでも中心にいるような存在の松下(まつした)(ひびき)君だ。



「他に意見のある人は?」






「――――それでは私達のクラスは演劇にします!!」





 私達は演劇をする事になった。

 そして早速話し合いがスタートした。



「ファンタジー系とかどう!」


「いやいや、分かりやすい絵本の話とかでも良いんじゃない?」


「お笑い系とか!」


「どうやってボケとツッコミに分けるんだよ〜」



 あれこれ意見があがり、1週間後にようやくテーマが決まった。


 演劇のテーマは『恋愛モノ』だった。

 本とかの話ではなく、台本は自分達でつくる。

 みんなの思いはきっと、この演劇をやり遂げ、楽しんで文化祭を終わること。




 〜〜〜〜2週間後〜〜〜〜



 私は緊張していた。

 文化祭で演劇をするにあたって、誰が何の役をするのか、という話し合いで、もちろん演劇と提案したクラスの人気者、松下響君が主人公役。

 それに対して何故か私が恋人役に任命されたのだ。


 嫌という訳ではないが、クラスでも私よりかわいい子は沢山いる。



「あの、なんで私なんですか?」


初々(ういうい)しさがあってかわいいから!」


「みやちゃんなら誰よりも似合うよ!」



 と促され、引き受けた。いや、違うか、私も満更ではなかったのかもしれない。

 特に目立ったことのない私は正直嬉しかった。




 放課後台本を作っていた。

 みんなで意見を出し合った。




「最後のセリフ、どうする?」


「今のままで良いと思うけれど、少しありきたりかも」


「それが王道で良いんじゃないの?」


「どうせならもっとキュンキュンさせたいじゃない!」


「女子の理想マジハンパね〜」


「じゃあどんな終わり方?」


「結婚しましょう!的な?」


「それがありきたりなのよ」




 話は盛り上がる。

 みんな気合い十分。

 本番が心配な位にテンションが高い。






 〜〜〜〜さらに2週間後〜〜〜〜




 最後のセリフが決まった。


「私にキスをしてください。」


「そんな簡単な事で良いのですか?」


「はい。私の望です。」


「では、失礼します」


 とても恥ずかしいセリフ。私には言える自信が無い。

 あと2ヶ月程で本番が来てしまう。私は焦る。

 少々急ぎ足になりながら進めていった。



 一通り話を進めようとするが、


「ちょっと、そこのセリフ違うよ!男子ちゃんとやって!」


「アドリブ大事じゃん!」


「変なアドリブを入れるな!」



 なかなか最後まで回ってこない。




 そんなこんなで文化祭当日。

 私達の演劇もいよいよクライマックス。





「僕は何をすればあなたに認めて頂けますか?」



「私、私をスキにしてください!!」



 ………………………………………………………………………………




 と今に至る。


(やっちゃったー......どうしよう。台無しに、みんなで頑張ってここまできたのに)


 私は泣きそうになっていた。すると、主人公役の響君がこの空気間に負けずと言った。


「それでは、あなたをスキにさせて頂きます。手を出して」



 私は手を出した。すると次の瞬間、グィッと引っ張られ、足が地面から離れ私は浮いた。

 ハグ?違う!私はあの一瞬で響君にお姫様抱っこをされていたのだ。




「キャーーーッ」「凄いわね〜」「昔を思い出すわ〜」



 客席からは大歓声が上がった。




 こうして私は最後の決め台詞をある意味キメた、いや、きめてもらったのだ。

続編みたいなものも検討しております!!



感想や評価、レビュー、など、よろしくお願い致します!!


励みになります!!

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