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風鈴と風
「さてと」
草薙悠弥は横になっていた。
一仕事終えた後、心地いい疲労感。
「……」
異国の少女達に風鈴の事を語った草薙である。
(懐かしかった、かな)
チリン。
風鈴が鳴った。
夏の終わりを思い出す。
草薙は目を閉じた。
◆
チリン、チリン、チリン。
風が吹き鈴が鳴る。
巫女の少女が口を開く。
――風に揺られ鈴が鳴るような声だった。
チリンチリン、チリン。
「涼しい、ですね」
巫女は目を閉じた。
「風鈴の音を聞くと……安心するんです」
少女は微笑む。
「風を……感じるんです」
チリンチリン。
チリンチリン。
◆
――チリン。
「っ……」
草薙は目を覚ました。
(昔の夢、か)
風鈴の夢。
(あいつらに風鈴をあげたから、かな)
現実で異国の少女に風鈴をあげる事が重なったので、見た夢なのだろう。
草薙はそう考えた。
「っ」
チリン。
風鈴がなった。
「……これは」
ふと涼しいなと、感じた。
一瞬だけ、労るような透明な水のような感覚があった。
(風を感じる、か)
草薙は風鈴に手をかざす。
チリン、と風鈴がなった。




