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風鈴と癒し


草薙は風鈴を置いた。

ここは日本の片田舎。

今は異国の少女が住んでいる家屋である。


「これは……なんですか」

少女が可愛く首をかしげた。

風が吹き、鈴が鳴る。


チリン、と音がした。


「風鈴だな」


「風鈴?」



「昔から日本にあるものだ。

風が吹くと鈴が鳴る」


草薙がそう言うと、風が吹いた。


――チリン。


風鈴が鳴った。


「いい音ですね」


少女が微笑んだ。


風が吹く。

チリン、チリン、チリン。

チリリン、チリン、チリリン。

風鈴が鳴る。


「あぁ、いいですねぇ~~」


少女は目を閉じた。

「風鈴……この音にはなんだか親しみがあります」

「日本の伝統、といってもいいだろうが……そう言ってもらえると嬉しいな」


「この音はどんな意味があるのでしょう?」


「涼しい」

即答する草薙。

「あ、確かに! 涼しいです」


ポン、と少女が手を合わせた。

「今は暑いから、聞くだけで涼しい気分になれるのはいいですよね」


少女は素直だった。


「うむ」

草薙は頷いた。彼女が日本に親近感を持ってくれるのはいい事である。



風が吹いた。


チリンチリン。

チリンチリーーーン。


「はーーー」


少女が息を吐いた。

風鈴の音色に身を委ねるように息を吐く。


「なんだか癒されますねぇ~~」


草薙と少女の間に、爽やかな風が吹いた。


チリン、チリンと風鈴が鳴った。


「風鈴には癒しの効果があるってな」


「風鈴の音に癒し!? それ凄いじゃないですか」


「風鈴の音が鳴る事で風のリズムを感じる」


「志公方のおっさん風にいや、脳波をアルファ波に導いてリラックス効果をもたらすってやつだな」


「詳しいですね草薙さん」


「日本人だからな」


「ふふっ」


風が吹く、爽やかな風鈴の音が静かに鳴っていた。

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