表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/365

ピレスラム

 悪い虫が寄り付かないようにと、生まれてすぐ祈祷師にまじないをかけられたという彼女の周りには、いつも数多の「虫」たちが倒れている。学校一のイケメンや、不良や、その他ろくでもない男どもだ。そういう輩が彼女に近づくと、まじないが発動する。突然の腹痛に見舞われたり、眼鏡が消し飛んだり、先生に呼び出されたり、警察に職質されたり、急に用事を思い出したりして、彼女に声を掛けることもできないばかりか、酷い場合は彼女を視野に入れることすら出来ない。

「こんなんじゃまともに生活出来ない」

 彼女はぼやく。それもそうだろう、今日だってどう考えても守備範囲外のお爺さん先生からもプリントを受け取ることが出来ず、気の置けない友人(私)を介さねば、授業すら受けられなかったのだから。

 しかし、彼女には悪いが、私にとっては好都合だ。どうやら彼女にまじないを施した祈祷師は前時代的な価値観の持ち主であったらしく、「虫」認定は異性に限定されている。同性はどんな下心を持って近づいたとしても、払われない。

「私が側にいれば大丈夫でしょ」と言うと、彼女は花のような笑顔を見せる。

「そうだね、キクちゃんがいてくれれば大丈夫」

 小さな頃から聴き続けてきた言葉の、甘い香りにくらくらした。

別名「除虫菊」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ