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キョウガノコ

 皆さんもよくご存じの通り、我々の体にはどうも無用としか思えないパーツがあります。そう、誰の頭頂部にも備わる、このひょろ長い紐のような硬質のパーツなんか、その最たるものですね。「頭の尻尾」なんて呼ばれますが、正式名称は「頭頂部垂下紐状組織」と言います。

 昔は、雷にあたってもこれのお陰で助かったとか、熊に襲われたときにこれがその牙を砕いたとか言われましたが、そんな機能はないということが、最新の科学では明らかになっています。それでは、これは何のためにあるのか。学校の授業中、真剣にノートをとっているのに、これが目の前に垂れてきて邪魔だった、なんて経験は誰にでもあるでしょう。邪魔にこそなれ、これが何かの役に立った記憶がある人なんて、いないでしょう。いたら、教えて欲しいくらいです。

 そう、そういうことです。このパーツは、本当に、全く、何の役にも立たないのです。

 人類の進化の歴史を紐解くと、ある時点で突然、この「頭頂部垂下紐状組織」が現れます。それまで、全くそんな片鱗もなかったのに、です。それまでの人類が汚染してきた環境からのしっぺ返しだと捉える向きもありますが、それは少々、穿ち過ぎでしょう。だってこのパーツは、何の役にも立たないばかりか、特に悪さもしないのですから。

 でも、なぜでしょうね。慣れない環境で落ち着かない、ソワソワする、緊張する……そんなときに、このパーツを触ると、どこか安心しませんか。別に、これを触ると脳内ホルモンのバランスが調整されるなんてことも全くないんですが、でも気分は確実に落ち着くと言われています。不思議ですね。

 ひょっとすると、今後の科学の発展によって、この「頭の尻尾」の正体が判明することもあるかもしれません。けれど、今はまだ、この役に立たなさを面白がってみてもいいんじゃないか……科学者のはしくれとしては無責任に過ぎるかもしれませんが、私は、そう思うわけなんです。

花言葉「無益」

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