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ハッカ

 小さな頃から、彼とはケンカをしてばかりだった。同じ幼稚園、同じ小学校、同じ中学校、同じ高校、同じ大学。そしてどういう因果か、職場まで同じ。それなのに性格はまるで正反対で、相手の着ている服の趣味から弁当のメニュー、歩くテンポなど、事あるごとに反目しあって、ケンカになるのだ。

 でもそのたびに、私たちはちゃんと仲直りをしてきた。二人とも意地を張るのに疲れたころ、やがてどちらかがポツリと、相手の服の裾を捕まえて呟くのだ。

「また友達に戻ろう」

 この魔法の言葉を合図に、私と彼はまた笑い合い、馬鹿を言い合うことができた。

 けれど、今はもう、その言葉は使えない。

 家の近所の公園の、ドーム型遊具の下、大の大人がいじけて座っているのを、私は見つけた。雨が降りしきる中、持って来ていた彼の分の傘を、その目の前に差し出す。

「ほら、家に戻ろう」

 彼はちょっと困ったような顔で私を見上げて、それから少し口角を上げた。

「合言葉、そうなるわけか」

「だって、友達になんてもう戻れないじゃん」

「それもそうだ」

 そうして、雨の中、二人して思い切り笑った。そのまま、家まで競争して帰った。

花言葉「私たちは再び友達に戻ろう」

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