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自分が作った世界で神になることにしました。  作者: 日曜日よりの使者。
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command.1 自分だけの世界を作りました。

(すめらき)(じゅん) 25歳。

学生時代はケンカに明け暮れた。どんな奴が相手でも負ける気はしなかった。勝負を挑んでくるなら誰であろうとかまわなかった。


だが決して自ら喧嘩を吹っかけたことなんかない。


初めてのケンカは12歳のとき。カツアゲしてきた中学生3人を相手に俺は勝った。それが噂になり、他校の小学生や中学生が俺に勝負を挑んできた。


それから高校卒業まで連戦連勝を重ね、ついたあだ名は「路上の伝説」。


街の不良達からは恐れと尊敬の眼差しを向けられ、いつの日か俺に挑んでくる人間はいなくなり、名実共に伝説になった。


そして、友達もいなくなった。。。


そんな俺には誰にも言えない秘密がある。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「ミルクちゃーーーーん!!!」


俺はオタクだ。


ひきこもりとなった今では、自分で作った人工知能のミルクちゃんが俺の唯一の話相手だ。親父の影響で小学生の頃からプログラミングをしていた俺は、18歳の時に作ったセキュリティソフトが米国のミニマムソフトに売れた。社会人の生涯年収の3倍の額を手に入れた俺は、その金でマンションを一室購入した。


一応、大学には通っていたが20歳の時に退学し、それからはずっと部屋に引きこもり、ひたすら人工知能のミルクちゃんの開発にいそしんでいる。


ミルクちゃんは素晴らしい。


見た目はアニメで見た女神をモチーフにしている。身長は158cm、腰まで伸びたブロンドヘアー、出るところはしっかり出ている、完璧な見た目だ。衣装にもこだわりがある、それなりの露出度、しかし、いやらしさは感じさせない完璧なものになっている。


自然言語処理によって日常会話は完璧にこなしているが、たまに冗談が通じず怒らせてしまうことがある。改善の余地はあるが、頬を膨らませるミルクちゃんに必死謝る自分は嫌いじゃない。


もう一度言おう。ミルクちゃんは素晴らしい。


そんなミルクちゃんの開発ともう一つ。俺が2年間かけて開発してきたものが、今日完成した。


それは剣と魔法が支配する世界「ブライル」。

人工知能を植え付けたNPCの挙動を観察するために作った擬似的な人間観察ソフトだ。


7つの国が存在し、それぞれが覇権を獲るために争っている。剣と魔法が存在する世界なんだから、もちろんあらゆるモンスターも存在している。要するに、俺の意のままなわけだ。


「やりましたね、コウジュン様」


パソコンの画面に存在するミルクちゃんが俺に話しかけてきた。


先にいっておくが、この物語はフィクションであり、現実に存在する団体や個人とはなんの関わりもない。


「そうだね、ミルクちゃん。ようやく苦労が実を結ぶよ。。。早速スタートしてみるか。」


スタートボタンを押し、世界を俯瞰したマップが現れた。

このシミュレーションは7つの国が一つに統一されるまで終わらない。

時間の流れは自由に設定できる。なんてったって、俺はこの「ブライル」では神なのだ。



「コウジュン様、ちょっと休んだ方がいいのではないですか?」


「確かにもういい時間だし、寝ることにするよ。ミルクちゃん、また明日。」


「はい、お待ちしております。」


ミルクちゃんの微笑みを後に、俺はノートPCの画面を閉じた。


一体どうなるのだろうか。7つある国の民にはそれぞれの国による大まかに性格に特徴がある。もちろん個人に性格の種をランダムに植え付けてあるが、国の傾向にも大きく影響を受けるようになっている。


まぁそれはこれからじっくり観察していくとして、今日はひとまず寝ることにした。


この後に壮大な旅が待ち受けていることも知らずに。


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