表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズも完結】死にたくないので、全力で媚びたら溺愛されました!  作者: 夕立悠理
新たな死亡フラグ!?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/89

お手紙

まだ屋敷にきたばかりのリリアンたちの様子です。

「うーん」

 私は今日も、悩んでいた。

 オーウェン様に媚びようと決めたものの、公爵邸に来てからというもの、ちやほやされてばかりだ。


 媚を売るどころか、とてもよくしてもらっている。


 ……まずい。いずれ地雷を踏んで殺されるというのに! このままでは、地雷を回避するどころか、私自身が地雷になりかねない。


「困ったわ……」


 大きくため息をつく。すると、紅茶をいれてきてくれたマージが不思議そうに首をかしげた。


「どうされましたか?」

「マージ、あのね……」


 素直に、一年後地雷を踏んでオーウェン様に殺されるかもしれないから、その回避方法を考えてる……と、伝えようとして、やめる。


 絶対おかしくなったと思われちゃうわ!


 でも、嘘はつけないし。

「あのね、マージに好きな人がいるとして……」

「はい」


 マージから紅茶を受け取り、話を続ける。

「そのひとに、こ……好かれるためにはどうしたらいいと思う?」

「……ふふ」


 マージは小さく笑うと、そうですねぇ、と口に手を当てた。

「私は、正直に気持ちを伝えますね」

「ええっ! いきなり!?」


 それはかなり積極的だ。


「……というのは冗談で」


 良かった、冗談だった。


「まぁ、さまざまな方がいらっしゃるので、一概にはいえませんが、距離を少しずつつめようと試みますね」

「なるほど」


 それはいい作戦かもしれない!


「距離をつめるかぁ……」

「旦那様とリリアン様はまだ出会ったばかりですからね」

「そうなの! ……あ」


 思わず、大きく頷いてからはっとする。

「ち、ちちちちちちが、いや、ちがわないんだけど……」


 恥ずかしい。


「手紙、などをかかれるのはいかがですか? 自分の趣味や特技だとか、いろいろとしっていただくことは大事かと」

「手紙……」


 確かに。自己紹介もそこまで深くはしてないものね! 


 これは有効かも。


「わかったわ! ありがとう、マージ」

「いえ、お役に立てたならよかったです」


 そうと決まれば、さっそく、書いてみよう。


 まずは、改めて私を婚約者に選んでくれたお礼と、自己紹介よね。


◇◇◇



「旦那様、ずいぶんと楽しそうですね」

 そういえばさきほどお嬢様が手紙を旦那様に持ってきていた。


 そんなことを思いながら尋ねると、旦那様は微笑んだ。

「……ダグラス。ああ、こんなにかわいらしい手紙をもらったのは始めてだ」


 旦那様はそういうと、愛しそうに便箋を撫でた。

「どんなことがかかれていたんですか?」

「彼女の得意なこと、苦手なこと、好きな食べ物――そして、わたしはなにが好きなのか知りたいと」


「それは、よかったですね」

「ああ。知りたいなんて、初めていわれた」


 そういって微笑む旦那様は、幸せそうで。


 最近、よく旦那様のこの顔を見られるようになった。それは――間違いなくお嬢様のおかげだった。


 ときにから回っていることもあるが、お嬢様は、心のそこから旦那様を大切にしてくれている。




 改めて、お嬢様がこの公爵邸にきてよかったな、と思いながら、私は旦那様に返事をかくことをすすめた。

いつもお読みくださりありがとうございます。

本作のコミカライズの一巻が、明日9月9日に発売されます!


レーベル:モンスターコミックスf

漫画:ムネヤマヨシミ先生

キャラクター原案:なま先生


です!


また、本作の書籍の3巻が、電子書籍で発売することが決定しました!すでに予約開始しておりますのでよろしくお願いします。


発売は、10月です!


何卒よろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただき有難うございます!
感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!
連載中です!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ