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【コミカライズも完結】死にたくないので、全力で媚びたら溺愛されました!  作者: 夕立悠理
新たな死亡フラグ!?

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59/89

きゅう

閻実の界から帰ってから、オーウェン様の様子がおかしい。でも、それを指摘してもいいものかと私は悩んでいた。

「いってらっしゃいませ、オーウェン様」

「あ、ああ。行ってきます」

オーウェン様にハグをする。オーウェン様も抱き締め返してくれた。けれど、一瞬躊躇したことを見逃さなかった。でも、そのことには気づかない振りをして、オーウェン様を送り出す。


 「オーウェン様に、いったい何があったのかしら」

一番考えられるのは、閻実の界で未来のオーウェン様(仮)に聞いた私の死因、よね。そんなにもうどうしようもない死因なのかしら。病気の可能性は低いと思っていたけれど、心臓発作とか脳梗塞だとか。


 その他に考えられるのは。も、もしかして! 私の媚びが足りないのかしら!? 確かに最近オーウェン様に特別媚びるようなことをしていなかった。それに。私の体を見ると、最近サボっていたダイエットのツケがきている……気がする。気のせい……、気のせいよね。そう信じながら、体重計にのる。


 「!」

思わずあげそうになった悲鳴を寸前のところで飲み込んだ。増えている。確実に増えている。最近の私ったら、オーウェン様の愛情にあぐらをかいていたわ。反省しないと。今日からリリアン・ラインハルト。美ボディ目指して、ダイエットを再開します!


 オーウェン様がお仕事に行っている間、筋トレに勤しんだ。マージはまた頃合いを見計らって、さっとタオルを差し出してくれた。それをありがたく受けとる。本当にできる侍女だわ。


 さて。汗もかいてしまったし。着替えよう。

「そうだわ!」

せっかく着替えるのなら、久しぶりにあのドレスを着ようかしら。マージに頼んで、ドレスを用意してもらう。


 良かった。体重は少し増えたとはいえ、このドレスのサイズを変更するほどではないみたい。いえ、でも、油断は禁物よね。


 そんなことを考えながら、ドレスを着替える。


 ネックレスも、ドレスに合わせて変えて、鏡で確認する。化粧もせっかくだし、濃い目のものにしようかしら。


 マージに手伝ってもらい、化粧も整える。うん。わかっていたけれど、マージは化粧の腕前も素晴らしいわね。


 ……と、そうこうしているうちに、オーウェン様が帰ってきた! 帰ってきたオーウェン様を出迎える。

「おかえりなさい、オーウェン様」

「ただいま……!?」

オーウェン様が私の姿を見て目を見開いた。ど、どうかしら。私の姿やっぱり、太ったから似合ってないとか? 私がぐるぐると考えていると、オーウェン様に抱き締められた。


 躊躇うことなく、伸ばされた手に安堵する。

「懐かしいな。あなたのその姿」

「はい。久しぶりに、オーウェン様の色を纏ってみたいと思いまして」

私が着ているのは、以前着たことのある、純白に金の刺繍が施されたドレスだった。


 「オーウェン様?」

胸のなかにぎゅうぎゅうに抱き込まれ、オーウェン様の表情が見えない。オーウェン様どうしたのかしら。この姿が失敗だった、ということはないはずだけれど。


 「……まない。すまない」

「オーウェン様?」

そういう、オーウェン様の声は震えていた。オーウェン様に謝られる理由なんて、何一つない。どうしたんだろう。


「私はーー。私は。あなたを手放すことができない。たとえ、そのせいであなたを不幸にするのだとしても」

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お読みいただき有難うございます!
感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!
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