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【コミカライズも完結】死にたくないので、全力で媚びたら溺愛されました!  作者: 夕立悠理
新たな死亡フラグ!?

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56/89

ろく

オーウェン様が帰ってくる前に、ヴィクターは目を覚ました。

「……ん」

「ヴィクター、目が覚めたの?」

「母上!」


 ヴィクターは私の顔を見ると、飛び起きた。

「どうしよう、父上と約束したのに……僕寝ちゃってた」

「ヴィクターは十分私を守ってくれたわ。ありがとう」

「母上……」

ぎゅっとヴィクターが、私に抱きつく。


 「僕、どうしたらいい? どうしたら母上は、ずっと僕たちと一緒にいてくれる?」

「……ヴィクター」

どうしたら、いいんだろう。どうしたら、私は、死なない?

「未来で側にいられるように、頑張るわ」

結局私の口からでたのは、そんな言葉だった。




 帰ってきたオーウェン様を出迎える。オーウェン様は私を強く抱き締めた。

「おかえりなさい」

「ああ、ただいま。あなたもヴィクターも無事で、良かった」

ヴィクターもオーウェン様とハグをしようとして躊躇った。


 「ヴィクター?」

どうしたんだ、とオーウェン様が首をかしげる。

「僕、寝ちゃって母上をちゃんと守れなかったから、父上にぎゅってしてもらえない」

「さっきも言ったけれど、ヴィクターはちゃんと守ってくれたわ」

「ヴィクター、ヴィクター自身が健やかであることも仕事だ。だから、ありがとう」

そういって、ヴィクターをオーウェン様が抱き締める。今度はヴィクターも抱き締め返した。



 夕食をとり、お風呂を済ませた後、ヴィクターを私とオーウェン様で寝かしつける。けれど、ヴィクターはお昼に寝ていたせいか、あまり眠くないらしく、なかなか寝てくれなかった。


 それでも、絵本を読んだり、子守唄を歌ったりしているうちに、ようやく眠気が訪れたらしく、眠りに落ちていった。眠ったヴィクターの頭を二人で撫でてから、私の部屋をでる。



 そして、オーウェン様の執務室へ。今後のことを話し合うためだ。

「あなたの友人から返事はきたか?」

ベネッタの家は王都内にあるので、ベネッタが定時で帰れれば今日中に手紙が届くはずだ。

「いいえ、まだです」

「そうだろうな。今は閻実の界自体が不安定だ。忙しいのだろう」

でも、ベネッタばかりに頼りすぎるのはよくないとわかっているけれど、私たちはそんなに閻実の界に明るくないから、どうしようもないのよね。


 「ただ、閻実の界が安定するとヴィクターの本来の時間軸に戻せない可能性がある」

それでは、未来のオーウェン様(仮)がひとりぼっちになってしまう。未来のオーウェン様もずっとヴィクターを探しているだろう。

「ヴィクターが今の私たちに会っている時点で、時間軸が変わっている可能性が既にあるが」


 確かに! 未来のオーウェン様もヴィクターにもし会っていない場合、色々とおかしくなるのよね。それに私は死ぬことを避けようとしている。それで避けることができたら、完全に未来はかきかわるわよね。


 「だが、私はあなたのいない未来など欲しくない。明日、私が魔法軍を訪ねよう」

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お読みいただき有難うございます!
感情を殺すのをやめた元公爵令嬢は、みんなに溺愛されています!
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