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転生は愚行でしょ。  作者: 坂卷 パラド
1/1

起承転生



「お願いしますッッ!!!僕を!!!!転生させてください!!!」


ドアを乱暴に開けて事務所に入ってきたのは


髪の毛がボサボサの、学生らしき男の子だった。


「よー威勢がいいねえ。まずは事情聞くからそこに座んな。」


男の子に着席を促すのは私の上司。ここの長。


転生師のハニー・ドロップ・イングウェイ


見た目は金髪碧眼の小学生である。


「で、なんで転生したいの。あ、チョコちゃんコーヒーお願い。この子には───何がいい?」


「...紅茶」


「ミルク?レモン?砂糖いる?」


「...ミルクと砂糖を」


「はいよー。んじゃチョコちゃんお願い」


「はーい」


チョコは私のあだ名。


本名はエレイナ・B・チョコミント


転生を望んでここに来たけど、色々あって雇われの身


「はいお待たせしましたー。紅茶ここ置くねー。砂糖足りなかったら言ってね」


「...ありがとうございます。」


「さてと。ゆっくり話を聞こうじゃないか。現世への不満はなんだ?学校か?恋愛か?家庭か?」


「全部ですよ。学校では虐められて、好きな子はいじめっ子に取られ、家では親が喧嘩ばっかり。何も楽しいことなんて無い。転生したら勇者になってドラゴン倒したり出来るんでしょ!?だから、お願いします。」


「ふぅん...まず誤解を解いておこうか。『転生』は約束された道を渡すものでは無い。いわば『ガチャ』だ。どんな世界に行くか分からない。種族も人間とは限らない。家庭環境が悪いかもしれない。奴隷として産まれるかもしれない。一生を暗闇の中で過ごすかもしれない。それが転生だ。」


「そんな...」


「正直、お前の人生の評価は中の上だ。」


「どこがですか!下の下だ!」


「異世界を見ている私が言ってるんだぞ。お前より苦しい状況下に置かれている生命は5万といる。いや、数え切れんな。」


私も、これを聞いて転生を断念した。


仕事を失い、恋人を失い、親に見放され、果ては生きる気力を失った私を、この人は突き放した。


だけど。


「お前、ここで働かないか?」


「は?」


私を、拾ってくれた。


あれ?


「俺がここで働く?は?」


「えぇぇぇえ!?!?!?この子雇うんですか!?」


「こいつの人生を眺めてみたが、こいつは面白いぞ。思ったより救いようがない。どうやったらそんなに追い詰められるんだ...ふふっ」


「笑ってんじゃねえよ...俺がここで働く?冗談だろ。お前はそうやって助けを求める人間を突き放すのかよ!」


「私は本気で言っているぞ?」


「!!」


「ま、そろそろ人手が足りなくなってきた頃ですからねー。増えるのはありがたいかも。」


「だろ?しかもこいつ。おまけ付きだ。」


「おまけ?」


「少年、背中を見せろ」


「...背中?」


「まあいいから、上裸になって背中を見せろ」


「...はい」


脱ぎ終わった男の子の背中に人差し指を当て目を瞑るハニーさん。


「譲血」


そう呟くと、男の子が少し痛がる。


「終わったぞ。服着ろ」


「なんなんだよ...」


服を着終わった男の子。すると体が突然青白くほのかに発光し始める。


「なんなんだよこれ!」


「やはりな。」


「なにしたんですか!?これ!!」


発光を続ける体から、突如光が飛び出してくる


「キュイ!」


「「は?」」


光は形を変えてゆき、やがて猫になった。


「はは!可愛いだろう。これがお前の精霊だ」


「え...えぇ...」


「一気に仲間が2体も増えたな!喜べチョコ」


「1人と1匹でしょ!まあありがたいですけど」


「少年、というわけで今日からお前はここの社員だ。学校や家をどうするかはお前の自由だ。好きにしろ。待遇は追って通知する。いいな。」


「...分かりました」



今気付いたんだけどこの子承諾してなくない?


大丈夫?私の上司勝手じゃない?


とは思ったが言う勇気は無かった。


「じゃ、これからよろしくね?」


「よろしくお願いします...?」


「ふふーん。じゃあ歓迎パーティでもやるか!」


「はい!じゃあ準備しますね!」



ピンポーン


すみませーん



「おっと、次の客が来てしまったようだな。パーティはお預けだ。」


「じゃ私出迎えますんで、ハニーさん座ってて。あー君は...そうだな...ま、私たちの仕事見てて!」


「は、はい」


すみませーん


「今出まーす!!」



転生したほうが、いい世界で産まれたかもしれない


転生したほうが、辛かったかもしれない


でも私は、同じ世界でやり直せた。


「おい何をもたもたしてる、客を待たせるなよー」


「はーい!ごめんなさい!」


辛い状況に置かれているみんなも、やり直せることを知って欲しい。


だから私はこの人と働いてるんだ。


「いらっしゃいませ!転生しますか?」



To Be Continue

読んでくれてありがとうございます!!!!


不定期ですが頑張って書きますのでよろしくお願いします!!!!!



PS.占い師に前世は石鹸と言われました。

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