3.月と闇、そして──
日は落ちすでに空は、黒と化していた。
しかし、ちらほらと小さな粒が輝いている。
そんな夜空を屋上で柵に寄りかかりながらシルヴァは、見上げていた。夕方の出来事が嘘だったかのような静けさが辺りを覆っている。
「……お、流れ星……」
何気なく言葉が溢れた。
シルヴァは、軍服のような教師用の制服を着ている。夜の背景と同化して一瞬だけなら、その存在に気付かないはずだ。ちなみにだが、ロゼリアから貰ったコートはギーツから受けた剣で破けたので今は着ていない。
涼やかな風が吹いた。銀髪が揺れる。それと同時に重々しい扉の音が静寂を破った。
「なんじゃ、こんな所におったのか」
その声で誰か分かったが視線を下ろす。ロゼリアと視線が重なると「よっ」と片手を軽く挙げて来たので、無視してまた夜空を見上げた。
「魔王が夜空を見上げてるとはな~。面白いこともあるもんじゃ」
「……別に良いだろ」
素っ気なく返す。
ロゼリアは、シルヴァの隣に来ると軽く跳び柵に座る。一瞬、ヒヤッとしたが誤って落ちるなんてことは、ロゼリアに限ってありえない。風が吹き、とんがり帽子を軽く手で押さえ飛ばされないように気を付けている。風が気持ち良いのか小さく感激の声を漏らしてた。
しばらく沈黙が流れる。
「んで、体の方はどうなんじゃ? もうだいぶ良くなったじゃろ」
唐突にそう聞いてきた。
「……まぁな。体の痛みとか傷はお前が治してくれたおかげでなんとか。魔力の方も今は大丈夫だ」
「そうか、それは良かった」
「ニックの方はどうなんだ?」
「今はぐっすり寝ておるよ。魔力の使いすぎというのもあるが単純に今日は色々あったからの。話を聞いた後すぐに寝よった。リナも同じじゃ」
「魔力の使いすぎ、ね……」
おそらく、いや間違いなく自分のせいだろう。使い魔が主に魔力を貰うのは当然の事なので別に罪悪感というのはないが、少しだけ反省はしておこう。
「そういえば、ニックから聞いたかの?」
「何をだ」
「防御壁以外で魔術を使えたそうじゃよ、ニック」
「!?」
驚いた顔でロゼリアの方を見るが、見えるのはロゼリアの横顔だけだった。街の方の灯りを眺めているようだ。急に反応したのが恥ずかしくなりまた空を見上げる。
「使ったのは神の盾。これで悪魔からリナを守っておったんじゃと。じゃが、一度解いたらまた発動しなくなったらしいがな」
「ワンランク上がっただけか……。けど、まぁ褒めるべきか……」
次会った時、見せてもらってどんなものか確かめよう。
「悪魔で思い出したが、二人の悪魔についてはカナが王に報告をしておくそうじゃ」
「王? あー、あの金髪のやつか」
確か、名前はアーサー。エルステイン王国の金髪金眼の女。王の風格は初めて見た時、とてつもなく感じた。
「王を金髪のやつ、と言うのはお前くらいのものじゃよ。度胸あるの~」
「別に俺には関係ねぇからな」
ロゼリアは、軽く笑い「確かにな」と呟く。
「悪魔についてだが……お前が戦ったギーツとやらは、しっかりと倒したのか?」
「さぁーな、生きてるかもしれねぇし死んでるかもしれねぇ。だが、生きてる可能性の方が高いだろうよ。あいつが落ちた校門付近のクレーター。その中心にあいつは居なかった」
もし生きているのなら、また……。
妙な感情がシルヴァの心の隅に住み着く。
「そうか……」
「お前の方はどうなんだ? ダイスは確実に殺ったのか?」
「あぁ。間違いなく死んでおるはずじゃよ。さすがにあれで生きておったらわし、へこむ」
小さく揺れる髪を押さえながら苦笑する。
そんなロゼリアを見て思い出したように「あー……」と声を出す。
「……なんつーか、ありがとな」
「ん?」
「その、ニックを守ってくれて。別にニックを心配してる訳じゃねぇぞ。俺が消えるのが嫌だから言ってんだ。……お前が居なきゃ今頃あいつは死んでた。緋魔からもダイスからもニックを守ってくれたのは、素直に感謝する」
「……」
「……おい、なんか言えよ」
人が感謝してんだ、ったく。
小さく頬を掻く。横目でロゼリアを見たが、何やら様子がおかしい。
「どーした?」
「今、お前。緋魔……と言ったか?」
頷く。
ロゼリアは、恐ろしいものを見たような顔をして何やら考え込む。そして、ゆっくりとシルヴァに顔を向けた。
「わしは、緋魔なんぞに会っとらんぞ……」
「…………なに?」
「わしが、ニックたちを助けに行くまで誰にも会ってはおらん。緋魔の姿など、どこからも確認は出来んかったぞ……。そもそも緋魔なんてどこから湧いたんじゃ」
ロゼリアの言葉を一瞬理解出来なかった。
「湧いたんじゃねぇよ。ギーツが、召喚したんだ。俺を殺すためにな、正確には主の方だが。……お前が会ってないなら、緋魔はどこに行ったんだ……?」
「実際は召喚しておらんかった?」
そんな事、ギーツに限ってはありえない。あいつはシルヴァという存在と戦うことに執着していた。そんな奴が、召喚してないなどミスを犯すはずがない。それにシルヴァ自身、緋魔の姿を視認している。
「それは絶対に無い」
「そうか……」
重い沈黙が流れる。
ロゼリアが、何かを思い出したように顎に手を当てる。
「そういえば、ダイスの奴が妙な事を言っていたな……」
「妙な事?」
「あぁ。わしらが学園内に結界で閉じ込められたのは話したじゃろ?」
「確か、結界内にいると命を奪われる隔離結界、だったか」
「それじゃ。わしは、てっきりあの悪魔共がわしらを閉じ込めるために仕掛けたのじゃと思っておったのじゃが。ダイスに聞けば、そんなもの張った覚えは無い、と」
「それが嘘っていう可能性もあるだろ」
「これでも、嘘か真かどちらか見抜くのは得意でな。まぁ、信用できないのならそれで良いが。少なくともわしは、あの結界を張ったのは別の誰かじゃと思っとる」
行方の分からない緋魔に真偽は不明だが悪魔が張ってはいない隔離結界。
その二つから推測出来ることはただ一つ。
「第三者が、いる……」
「可能性は高いじゃろうな」
謎の第三者。本当にそんな人物が存在するのだろうか。緋魔を倒した所を見れば、味方。だが、結界を張って、ロゼリアたちの命を奪おうとし閉じ込めた。そこを見れば敵。
敵か味方か分からない存在。だが、たった一つだけ言えることがある。
それは、絶対に無視できない存在であること。
「まぁ、この事はわしの方で調べてみる」
いつの間に柵から降りたのか扉に向かって歩き出すロゼリア。肩越しに振り返る。瞬間、冷たい風が優しく頬を撫でる。
「今日は疲れたじゃろ。早く寝て、ゆっくり休め」
雲から顔を出した月に照らされる金色の髪。きらびやかな宝石のように輝きを放つ。二つのおさげが、風で流れる。月と闇、そして一人の少女。とても幻想的な光景がシルヴァの目の前で繰り広げられる。優しく微笑んだロゼリアに思わず目を奪われた。
「どうしたのじゃ」
「っ、なんでもねぇよ」
「変な奴じゃの」
歩き出そうとするロゼリアの足が止まり、また振り返る。
「どうした?」
「そういえば、あれの使い心地はどうじゃった?」
シルヴァは、首を傾げる。
「あれは、あれじゃよ。就任祝いにやった黒いコート」
「あぁ、あれな。んで、使い心地ってどういうことだよ」
ロゼリアは、驚いた顔をしたがすぐに小さく笑う。何か面白い要素があっただろうか。
「ギーツとやらと戦ったんじゃろ? なら、分かってると思ったじゃが」
「だから、なんだよ」
「あのコートは、普通のコートでは無いんじゃよ。魔力を一切通さない特別製の魔術器具じゃ。わしが作ったものなんじゃが、正直に言うと出来に不安があってな」
「……」
「悪魔との戦いに使ってたって事は、それなりに使えたようじゃの。いやー、良かった良かった」
満足そうに歩き出し、扉を開ける。
「良ければこれからもそれを使ってやってくれ。わしとしても使ってくれるのは嬉しいからの。それじゃ、おやすみなのじゃ〜」
ゆっくりと重い扉がロゼリアの姿を隠す。
「……はぁ~……」
とびきり重いため息が漏れた。
なぜか。決まっている。あのコートの事だ。
「ギーツと戦ってるときに治癒魔術が効かなかったのはテメェのせいかよ……」
魔力を一切通さない。それはシルヴァ自身の魔力も通さないということ。しかも設置型の転送で飛ばされたところを見ると、魔力を通さないのはコートを着ている部分のみらしい。
つまり欠陥品を着ながら戦っていた事になる。
ロゼリア、お前のせいで危うく死ぬところだったんだぞ……。
再び月が隠れる。淡く光っている雲を何気なく見上げる。
「あのクソ魔術師。明日会ったらとりあえず殴っておくか……」
悪態をつくシルヴァ。だが、口角はほんの少しだけ上がっていた。
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月が雲から顔を出す。月の光が裏路地を少しだけ明るくする。
地面には赤い血が不規則に道を作っていた。煉瓦の壁には、水気の無い絵具のように血が横に続いている。苦しそうな息遣いが、静かな裏路地に雑音として入り込む。
「──はぁ……はぁ……」
一人の悪魔が、暗闇から月の光を浴びる。
体にはクロスした傷。右肩と脇腹は、肉が削がれている。そこから、未だに血が流れ続け黒いジャケットが血に染まっていく。さすがは魔剣。傷口が簡単には治らない。
喉を這い上がってくる血を無理矢理吐き出す。口元に付いた血を袖で拭い取った。
息をする度に体が焼けるように熱くなり、歩く度に激痛が全身を襲う。一歩一歩、ゆっくりと進む。だが、自分の足に躓き壁に寄りかかる。足を止め壁に背中を預けた。煉瓦の冷たさが今は心地が良い。
「少し、休憩するか……」
こうして足を止めて初めて感じる。自分が負けたのだと。
シルヴァに負けたギーツは、血で汚れた手で頬を触る。シルヴァに一発殴られた所。そこを触ると思い出すあの一撃を。シルヴァとしての最高の一撃。
頬には罅が入っており肌が欠け黒い何か(・・)が露になっている。
「くそ、変化を壊すほどの威力……。さすがと言うべきか」
黒い何かは、ギーツの本当の姿。
魔族は、人間の姿を模してその姿を自分の姿として生きていく。すべての魔族がそうと言う訳ではない。実際に緋魔は、元の姿のまま活動していた。もちろん、個々に姿は違う。悪魔にも自らの姿のまま過ごしている者も居ないわけではない。だが、ギーツは前者である。
「結構気に入っていたんだがな……」
一人で小さく笑う。
どこかで見た少年の顔を模した。アレンジは加えているが、本当の顔のやつは今は何しているんだろうか。と、つまらないことを考える。でないと、意識が飛んでしまう。
「やめよう。今はそんな事どうでもいい……」
そう。どうでもいい。今、考えるべきなのは別にある。
「シルヴァ、さん……」
その背中を思い出す。逞しく凛々しい、憧れた背中。その背を追い掛けここまで来た。
「なのに、負けるとはな……」
自分の弱さを深く痛感する。慰められるように風が吹く。
「緋魔も全滅、城も落ちた、ダイスも……死んだか……。加えて、俺は死にかけ、か」
思わず笑いが込み上げてくる。
こんな姿、一日前の自分が見たら滑稽に思うだろう。自分でも笑えてくるのだから、たぶんそうなる。
深く赤い瞳で月を見上げる。
「今回は負けましたよ、シルヴァさん。けど、次こそ僕は、貴方を越える。だから待っていてください、シルヴァさん……いや、シルヴァ」
汚れた手を月に翳し、力強く握る。自分の全ての弱さを拳に込めて強く強く握った。
「絶対に貴方を殺してみせる! 待ってろよ、さらに強くなって借りを返させてもらう!!」
自然と上がる口角。高揚と期待が体の痛みを緩和する。もう頼れる者は誰も居ない、居るのは自分だけ。静けさを誇る月夜に一人の悪魔の笑い声が寂しく奏でられる。
ガタンッ。
と、その笑い声に混じって物音が響く。
「誰だっ!!」
笑いを止め、音がした方向に顔を向ける。音がしたのは、ギーツが歩いてきた方向から。意識が警戒に切り替わる。殺意の込めた眼差しを闇に向けた。
闇の中からゆっくりと歩く足音が聞こえる。睨むように闇を見つめた。
誰かは分からないが、こちらは手負い。とても戦える状況じゃない。だが、相手がやると言うのならばそれに応えるまで。
回復した体の魔力を少しだけ起こす。
闇の中からその者が静かに月に照らされる。薄汚れたローブ。フードを深く被っているせいで顔は分からない。
「何者だ……」
相手からは敵意は感じない。少なくとも戦闘にはなりそうない。そう判断したギーツだが、魔力は起こしたまま。警戒は怠らない。
声を掛けたが相手からの反応は無い。
誰か分からない。こいつが、男か女かも。敵なのか味方なのかも。警戒だけが強くなり、知らず知らずに体は熱くなる。血の混じった汗が、頬を伝う。
ローブの者が足を一歩前に出した。
「止まれ!! 何者かと、聞いている……。お前は、誰だ……」
一歩出した足を引っ込める。そして、少しだけ顔を上げた。
その瞬間、ギーツの背筋が一瞬にして凍りつく。全身の痛みを忘れるほどの恐怖がギーツを襲う。思わず、足を一歩退いた。
「貴方……様、は……」
フードから覗く顔に目が離せない。目で捉えていないと恐怖でどうにかなりそうだ。震えが止まらない。寒いわけじゃない。単純に恐怖で震えているのだ。言葉ももう出てこない。本能が必死に逃げることを告げている。それも恐怖で動けない。
ローブを着た者は、ゆっくりと歩みを進める。
距離が近付く、その度に体の至る所が痙攣し逃げたいという感情が溢れ出てくる。
「────っ…………」
目の前まで来た。今はもう顔は見えない。
たった一回。それだけでギーツを恐怖させるのには充分過ぎた。息もまともに出来ない。
だが、このままではダメだ。無理矢理にでも動け。動かないといけない。
「────な」
どす。
言葉を出そうと口を開けた。なのに、変な音が口から漏れた。
「……は?」
ゆっくりと視線を落とした。
腹に何かある。なんだ。
それは、月に照らされギラギラと輝く銀色。ローブを着た者から伸びた一本の剣。血が伝い、地面を血で濡らす。痛い。痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
「あ……ぁ……き、さ……!!」
押し込まれる。
内臓が裂ける。背中を突き破った剣は、赤く輝く。這い上がってくる血。だらしなく口から溢れる。
反応も出来なかった。素早くしなやかで鮮やか。確実に命を奪う一太刀。
瞳孔の開いた瞳でフードの中を盗み見る。
笑っていた。満面の笑み。口元しか見えなかったが、さぞかしその中は悦びで満ちているのだろう。
見なければ良かったと後悔した。恐怖が絶望へと切り替わった瞬間だった。
引き抜かれる剣。裂け目から血が溢れ出て血溜まりを作り力無くそこに倒れる。弾けた血が壁に飛び散った。
目が霞み始める。倒れたギーツは、見上げた。映るのは月と闇、そして一人の者。
フードの者がギーツの背中を撫でる。自分が触られているのもほとんど分からない。感覚が遠退いていく。
刹那。激しい痛みが全身を襲った。
「アアアアアぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」
背中。心臓に一番近い部分。そこに手を押し込まれる。だが、血は出てこない。理由は簡単。その者が手を入れている場所はギーツの体では無い。
こいつ……!!
「がぁぁぁあ!!!!」
意識は完全に覚醒していた。
手は動き続ける。
「何を……がぁぁっ! ……っ、探して、いるっ!!」
手を入れているのは、ギーツの空間倉庫の中。どうやったかは分からないが、強制的に開かれた空間倉庫でこいつは、何かを探している。そしてギーツ自身、それが何か察しはついていた。
「やめ、ろ……! 頼む、止めてくれ!! くがぁぁぁ!!」
闇夜に響く断末魔。血に濡れた裏路地。それを嘲笑うかのように見下ろす月。
手が止まる。探し物が見つかったのか、ゆっくりとそれを引きずり出される。喪失感がギーツを襲う。
体の一部を奪われたような感覚。
そしてローブの者が持つそれは、ギーツの一部と言っても過言ではなかった。
血塗られた剣。赤い刀身を持つ魔剣。今は、柄だけの状態。
「きさ、まぁ! それは……俺の、だぁ!! 俺の、剣だぁぁぁ!!」
倒れながら叫ぶ。それが聞こえているのかいないのか、柄を握りそれを眺める。まるで鑑定士のように入念に。
「返せ……返せ……。返せぇぇぇ────」
銀色が背中に突き刺さる。運良く心臓は逸れた。だが、大量に血が溢れる。
素早く抜かれた。
そして、たった一言だけそいつが喋った。喉を焼いたような声。おそらく、声を変えている。しかし、その一言が絶望へと突き落とす一言となった。
『これは、貰っていくよ。ギ・ー・ツ・君』
闇に溶けていくローブの者。
追い掛けようと血溜まりに手を付いた。ギーツの身体は、動けているのが奇跡に近いほど壊れていた。
「おい、待て──」
その奇跡は儚く終わりを告げる。
呼吸が止まった。全身を何かが這っていく。高熱で溶かした鉄がまとわりついているかのよう。
「こ、れは…………呪詛……!!」
呪詛の剣。
どこかで聞いたことがある。その剣に斬られた者は、それがどんなに小さな傷でも必ず命を落とすとされる呪いの剣。
死にたくない。
すでに居なくなったローブの者が消えた闇に手を伸ばす。その手にも呪詛はすでに刻まれていた。
「助けて、くれ……頼む……誰か……」
まだ、死ねない。死にたくない。
だって折角会えたんだ。彼に。会えないと思っていた相手に会えたんだ。それに、今日彼に負けた。そのリベンジもしなきゃならない。なのに、なのに……!!
「死にたく、ないよ……。お願い……誰か、助けて……」
体を蝕んでいく呪詛。それが、完全に全身を回った時。呪詛は、初めて呪いとしての機能を発揮する。それは、つまり……。
「助けて…………シル────」
一瞬にして霧と化す。
残ったのは大量の血だけ。
静かに月が雲に隠れていく。まるで、その惨劇見終えたかのようにその現場も暗闇へと消えていった。
一人の悪魔がその夜、死んだ。




