表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

知ってしまった

作者: てつく

知ってしまった


メガネをかけたあの子がいじめられていることを


誰も助けず、それどころかあの子を貶し、蔑み、嘲笑っていた






知ってしまった


赤いリボンを着けたあの子が家庭内で暴力を受けていることを


増え続ける痣を私はただただ見てることしか出来なかった






知ってしまった


小柄なあの子が声を殺しながら泣いていることを


その時私はつい声をかけてしまった


「どうして泣いてるの?」


そしたらあの子はこう言った


「生きてるのが辛いの」


そう言ってまた声を殺しながら泣き始めた


私は何も言えなかった






知ってしまった


黒髪のあの子が首を吊ろうとしていることを


彼女の儚くボロボロの両腕が天井に垂れ下がっている縄に


少しずつ


少しずつ


近づいていく


止めてって


死んじゃダメって


私は心の中で叫ぶ


何度も


何度も


声が枯れても


何度も


何度も











私はふと気づく



何故



私は



ここにいるのだろう、と



だから


メガネを外し


赤いリボンをほどき


小柄で黒髪の私は



この理不尽な世界を


現実を


真実を


自分を



受け入れた



目を背けることを止め



前を向くために



「自分」であるために

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ