第6話「戦争」
お読みいただきありがとうございます!
今回で第7章完結です。それではどうぞお読みください!
「はぁ、はぁ、はぁ。」
1歩、また1歩と悪魔がアレクサンドルさんに近づいていく。すでにかなり苦しそうだが、まださまよっている葬儀屋の魂を取ろうとしている。
「…しかたない。葬儀屋を取り込むか。」
悪魔が葬儀屋の魂に手を向ける。魂が悪魔の手の中に入り込み、消えた。すると、悪魔の体から傷が消えまた鎌を取り出す。
「…俺らの目的は、こっちだ!」
悪魔が鎌を横に振り払い、衝撃波がこちらに飛んでくる。ほふく前進をしながら、炎を連れてテレポートする。離れた位置から悪魔の動向を確認する。
『ドオォォォォォン!!!』
悪魔の出した衝撃波で僕たちの後ろにあった最も大きな木が倒れる。
「なに、まさか…。」
「俺らの目的はこっちだ。ムー大陸を沈めることが、今回の任務。……後は。」
悪魔がアレクサンドルさんを見据えて言う。
「リバイバーに、死を!」
「やめろ―――――――――!!!」
『ザシュッ!』
悪魔の持っていた鎌が深々とアレクサンドルさんに突き刺さる。悪魔の体に返り血が飛び散る。僕はすぐにテレポートでアレクサンドルさんの近くに行き、アレクサンドルさんを治そうとする。
「無駄だぜ。この大陸は既に死んでいる。『マナ』の欠片すらないだろうな。」
悪魔が僕をあざけるように言い、下卑た笑みを浮かべる。僕が睨みつけるとさらに笑う。
「お前は殺さねーよ。お前みたいな奴は生かしておいたほうが楽しいからな。」
悪魔がアレクサンドルさんから鎌を抜き、背を向けて歩いていく。
「ジョーカー!帰ろうぜ!」
「分かった兄さん。すぐそっち行くから。」
遠くから女の人の声が聞こえる。女の人はテレポートをしてきた。手に誰かを掴んでいる。
「兄さんこいつらどうする?」
手に掴んでいたのは水、神風、黒雷だった。僕が叫ぶ。
「やめろ!殺すな!」
悪魔が振り返り、笑う。
「いいぜ、また歯向かってみろよ。だが、今度は殺すぞ。」
悪魔は前に向き直り、ジョーカーと呼ばれた人に「捨てろ。」と言って2人で立ち去った。
「大丈夫ですか!?皆さん!?」
ネプチューンが走りよってきながら言う。ネプチューンは僕の肩を支えて立ち上がる。
「あの木はこの大陸を支える要でした。しかし、切られた今ではもう……。」
「まだ…大丈夫だ…。」
アレクサンドルさんの声がする。その方向を見ると、立ち上がりかけているアレクサンドルさんがいた。
「アレクサンドルさん!」
「僕をあの木の前に……早く!」
アレクサンドルさんの切羽詰った声にネプチューンは逆らえなかったようだ。僕を寝かせ、アレクサンドルさんの肩を支えて、切り株になった木の前に立たせる。アレクサンドルさんが木に手をかざし、叫ぶ。
「…発動最大限……LV.MAX!!!」
アレクサンドルさんがそう叫ぶと、アレクサンドルさんの周りがすさまじい光を放ちだす。徐々に木が直っていくがネプチューンがあわてて止める。
「…はっ!…それは…だめです!あなたは分かっているのでしょう!?」
ネプチューンの言ったことは僕にとっては意味不明だったが、アレクサンドルさんが答える。
「…知ってるよ。この技は、命を削る。」
「えっ!?」
僕が一番驚いた。まさか、過剰な発動は命を削るのか!?どんどん木が直っていきアレクサンドルさんは苦しそうになっていく。
「この傷ではもう長くないんだ。……どうせ死ぬなら最後にみんなを守るんだ。…それが僕の…最後の使命だ!」
『パァン!』
木がもとの姿に戻る。大陸の崩壊は止まり、アレクサンドルさんが崩れ、倒れる。
「アレクサンドルさん!」
僕は何故か立ち上がることができ、アレクサンドルさんに近寄る。
「…なんて無茶を……。」
「ライト、何泣いているの……君の目的は…何?」
「ダークを……倒すことです。」
「それならこのくらいの犠牲で泣いちゃだめでしょ。どれだけ多くの犠牲があってもこれは戦争なんだ。感傷に浸ってる暇があったら早く倒してきなよ。」
アレクサンドルさんの冷たい言葉が耳に刺さる。
「それでも、僕は……。」
アレクサンドルさんが僕の手を握る。
「もういいよ。僕は最後の力でみんなの傷も治しておいたから。…必ず勝ってくれ。」
「はいっ!」
アレクサンドルさんの手から力が抜け、僕の手から抜け落ちる。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
第7章「アレクサンドル」完
アレクサンドルさ――――ん!!!!…すいません。アレクサンドルを好いていてくださった方々、申し訳ありませんでした。かなりベタな死に方というか、みんなを守って死ぬところが書きたかったんです。ホントすいませんでした。
それでは謝辞のほうを…。
いつもお読みいただいてくださっている皆様。
お誘いしてくださり、今でも書く勇気を下さっている夢世 瑠璃花さん。
そして、ささやかなイラストで書くためのインスピレーションなどを下さっている碧莞さん。
本当にありがとうございます!これからもどうかよろしくお願いします!
真叉風巳




