第16話
『なぁ結衣。お前自分の運命から逃れようってつもりじゃないだろうなぁ?』
この男の雰囲気が変わった.
怖い。怖い。
『ちょ、ちょっとこないでくださいっ』
はっと我にかえった結衣は出来る限りの抵抗をした。
『お父さんをさけないでくれよ。鬼と鬼の間にうまれたかわいい愛娘は重要なんだから。』
男が近づく事によって逃げ場を失った結衣。その後ろにあるのは硬い壁。そんな状況で頭をよぎったのはリオ達の顔だった。
『おーっとリオ君たちをよぶつもり?』
『…』
『なんで私の心の中が分かるのかっ?って感じだな。そりゃぁなぁ親子なら分かるんだよ!』
勝ちほかったような顔で見てくる男に、動揺を隠しながらも抵抗を続けた。
『わ、私のお父さんはアンタじゃない!』
『これこれ。そんな風におこっちゃったら可愛い顔が台無しだぞ?』
......ドンドンドンドンドンドン!!!!!........
救いの音。そのとき聞こえた音は救いの音だった。
『結衣!!!ドアを開けろ!いるんだろ?!』
(来てくれた。
裏切られたとしても今
私が信じられる存在。
心から信じられる。)
『結衣!!』
『紫斗、、、、リオ、、、、杏夜、、、、』
『はやく!』
『う、うん!』
結衣は目にたまったものを振り払いながら必死にドアの方まで行こうとした。
無理だった。後少しで手が届く、そんな時に結衣の目の前は真っ暗だった。
『おぉーっと、そんなことはさせねぇよ?それとも結衣、お前の目の前でお前が信じている奴らを消し去ってよろうか?』
それはこの男が結衣を遮ったからである。
『そ、そんなこと、、、、』
『俺と共にこい。お前は俺とともにあってこそ価値がある。あんなライオンとかなんとかってかすどもと一緒に至って価値がない。意味が無い。そしていつしか必ず裏切られる。』
『別に、、、、』
『別に、なんだ?』
そのときものすごい音とともにほこりがまっていた。
そこにはリオたちがいた。
やはり私の信じるものはここにある、結衣はそう思った。
『なっ!?俺の力で入れなくしていたのに…。それを破る程の力、、、、なにものだ?』
『わしだ。』