詩小説へのはるかな道 第87話 あなたが休息する場所
原詩: あなたが休息する場所
時計の針が
夜の深みに溺れて そっと止まります
戦うことをやめた戦士のように
あなたは静かに 私へ身を預けます
私の乳房の柔らかさ
今日の疲れも 明日への不安も
ゆっくり沈めてください
世界があなたを呼び戻す朝まで
光がその肩に触れるまで
私はあなたの避難所になりましょう
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詩小説: あなたが休息する場所
夜遅くになると、時の流れが止まったように感じる瞬間があります。
街の騒がしさが遠い銀河の出来事のように思える、この静寂が私は好きです。
彼は、まるで長い遠征を終えて帰還した戦士のような顔をして、私の隣に滑り込んできました。
さっきまで明日のプレゼンの資料を打っていた指先も、今は力なく投げ出されています。
「お疲れさま」
そっと髪を撫でると、彼は子供のように小さく鼻を鳴らしました。
私の胸元の柔らかさに顔を埋め、今日の理不尽な上司の言葉も、明日のプレゼンの不安も、全部沈めてください。
夜が明けて、光が彼の肩を叩いて現実に引き戻すまでは、ここが安全な避難所なのです。
私たちはこうして、光の中へ戻る力を蓄えます。
静かな満ち足りた時間。
「ねえ」
彼がこもった声で呟きました。
感動的な愛の言葉か、あるいは深い人生の真理でも語るのかと、私は身を乗り出しました。
「……昼に食べた餃子の匂い、バレてるかな」
私は思わず吹き出し、彼の頭をぽんと叩きました。
「台無しだよ。でも、そういう人間臭いところも含めて、今は私が守ってあげる」
明日になれば、彼はまたスーツをを着て職場という戦場へ向かうでしょう。
でも、それまでは彼が安心して休息できる避難所になりたいと思うのです。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌: あなたが休息する場所
静寂の幕が降りるころ
止まるような
夜の気配に抱かれて
街は遠い銀河のきらめき
帰還兵の
顔してそっと寄り添えば
指先だけがまだ戦場のまま
胸元に
沈めた不安の泡たちを
夜のやわらぎ そっと溶かして
光待つ
避難所としてのこの腕に
彼は子供のように鼻を鳴らす
「ねえ」と言う
声の奥まで聞きたくて
身を乗り出した私の期待
餃子など
どうでもよくなる可笑しさに
ぽんと叩いた 守りたい人
明日また
戦場へ行くその背中
休ませるための夜の静けさ
光まで
あと少しだけ眠っていて
あなたの避難所であるために
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




